最近、マッサージの店って増えていますよね~。
手揉み、足つぼ、リンパマッサージにアロママッサージといろいろありますけど、マッサージに健康保険が使えるって聞いたことありませんか?
今日は、その辺の事について書いていきたいと思います!
(=゚ω゚)ノ
目次
マッサージの国家資格者あん摩マッサージ指圧師
マッサージをする国家資格があります。
それが、あん摩マッサージ指圧師です。
あん摩(按摩)は聞き慣れない言葉かもしれません。
〝按〟は〝押さえる〟という意味で、〝摩〟は〝なでる〟言う意味があります。
つまり〝あん摩〟とは〝なでる・押す・揉む・叩く〟などの手技を用いる療法のことです。
あん摩もマッサージも指圧も手技療法です。
はり師ときゅう師は別々の国家資格ですが単独で取る人はほぼおらず、その場合、はり師ときゅう師の2つを取る形になります。
あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうの総称を〝あはき〟とも言いますので、この3つの資格を持っている人をあはき師、もしくは三療師や鍼灸マッサージ師と呼んだりします。
マッサージに健康保険は使えるのか
あん摩マッサージ指圧師の行う施術を、健康保険を使って受けることが出来る場合があります。
そう、つまりマッサージを、健保を使って自己負担を少なく受けることが出来るんですね。
けど、資格者の行うマッサージだからと行って、何でもかんでも健康保険が使える訳ではありません。
健康保険が使えるマッサージの対象は、かなり限られている のです。
あん摩マッサージ指圧師の行うマッサージでも、健康保険の適用対象となるのはあくまで、 筋麻痺、関節拘縮等の症状が認められる場合 に限定されます。
〝筋麻痺(きんまひ)〟とは手足などの機能が失われていたり弱っていたり、感覚が無かったり鈍っている状態、〝拘縮(こうしゅく)〟とは、関節周囲の筋肉や靱帯などが固まり、関節の動きが制限されている状態をいいます。
さらには、その制限されている関節の可動域と筋力増強を促し、症状の改善を目的として、〝あん摩・マッサージの施術が必要と医師の同意がある場合〟に限られます。
つまり、肩こりや腰痛などの慰安目的や疲労回復などの目的では、例えあん摩マッサージ指圧師が行うマッサージであっても健康保険の対象とはならないのです。
更に鍼灸治療と同様、3ヶ月ごとに医師の同意が必要となります。
ただ、鍼灸治療が医師の治療と併用は出来ないのに対し、あん摩マッサージ指圧は併用OKです。
マッサージ店の健康保険不正請求
整骨院や接骨院による健康保険への不正請求は結構な社会問題になっていますが、実はあん摩マッサージ指圧師による不正請求の問題もあります。
※整骨院や接骨院の不正請求についてはコチラをご覧ください。
⇒ 健康保険は整骨院や接骨院で使えるの?不正請求アンケート
つい先日も、高齢者向けが大半を占めるマッサージ、はり・きゅう治療で、75歳以上の人らが加入する健康保険である後期高齢者医療制度に2011年からの5年半で約48,000件、約9億円の不正や不適切請求があり、返還を求められたというニュースがありました。
※鍼灸院の不正請求についてはコチラをご覧ください。
⇒ 鍼灸治療院で健康保険は使えない?使い方と不正請求について
不正・不適切請求の内容は以下のようなものです。
① 出張先(往診先)の距離の水増し
歩行が困難な場合等は往診も可能で、健康保険から往診料がその距離に応じて出るのですが、その距離を水増しして請求します。
② 老人ホーム等への訪問で往診料の重複請求
1件の老人ホームへの訪問で、入居者ごとに出張料を請求する不正です。
③ 1日の訪問で2日分にあたる施術を実施
1回の訪問マッサージを2日に分けて過大請求する手法でダブルなどと呼ばれたりしています。
④ 施術回数の水増し
単純に施術の回数を水増しします。
⑤ 医師の同意書等の偽造
医師の同意があったように書類を偽造します。
2度目からの同意は口頭の同意でも可能ですので、一度同意書を取ったあとに再同意を取らないパターンも多いでしょう。
⑥ 無料での施術
一見、とてもサービス精神旺盛なようにも見て取れますが、患者から自己負担分を聴取せずに健康保険からのみ費用を徴収します。
これは明らかな違法行為ですし、患者の不当誘致にもなるでしょう。
そして、このようなことをしている所は、実際は健康保険が適用できない症状に対して適当に診断名を付け、健保適用が出来る内容にして請求します。
無資格営業のマッサージ店は大丈夫?
あん摩マッサージ指圧師の資格なしにマッサージ業を行なうことは、〝あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律〟の第1条に違反し処罰の対象になりますし、届出のない医業類似行為を行なった場合は、同法第12条違反で処罰の対象になります。
けど、マッサージをしてくれる所は、あん摩マッサージ指圧師の開業している診療所だけではありません。
つまり 無資格でマッサージを行っているところが多くあります 。
これは、いったいどういう事なのでしょうか?
これはマッサージと称するサービスの内容にもよるんですね。
どのような内容がダメかというと〝人の健康に害を及ぼす恐れのある業務に限局される〟といった旧厚生省の通達があります。
まぁ、何とも曖昧な線引ですが・・・。
もう少し具体的にいうと 〝施術者の体重をかけて対象者が痛みを感じるほどの相当程度の強さをもって行うなど、あん摩マッサージ指圧師が行わなければ、人体に危害を及ぼし、又は及ぼすおそれのある行為については、あん摩マッサージ指圧に該当する〟 といったことです。
けど、やっぱり線引は曖昧ですよね。
つまりは、現在行われている無資格でのマッサージ行為は、摘発はされていなくてもグレーな状況であるということです。
現在はスルーされていても、世の中の状況が変われば、今は問題なく営業出来ていても数年後も大丈夫とは言い切れないでしょう。
法律なんて読み方ひとつで180°解釈が代わったりしますからね。
また、現在であっても悪質な業者に対しては、摘発の材料にもなり得るんじゃないでしょうか。
ただ、現状は特に悪質でなければ、おとがめナシという状態です。
以前に有国家資格者が、民間資格の認定だけで開業している業者は違法行為であるといった事を、署名を集めて国会に提出した事がありましたが、とりあげられませんでした。
あと、無資格でマッサージを行う場合に〝マッサージ〟という表現は問題となります。
マッサージは法律に定められた〝医業類似行為〟にあたり、無資格者が行うことは出来ません。
そこで〝手揉み、揉みほぐし、リラクゼーション、ケア、エステ、リフレ〟などマッサージを連想させる表現にしたり、〝ボディマッサージ、足裏マッサージ、ハンドマッサージ、フットマッサージ、フェイスマッサージ、ヘッドマッサージ、リンパマッサージ、アロママッサージ、クイックマッサージ〟といったようにマッサージにプラスアルファの言葉を付け加えたりしているんですね。
けど、黒にしようと思えば黒に出来てしまうグレーな状態であることに代わりはないでしょう。
国家資格さえ持っていれば皆、技術と知識がある訳ではないでしょうし、無資格者の中にも施術と知識を兼ね備えた方もいるかもしれません。
けど、マッサージして貰う側からすれば、人の体の事を熟知しているであろう国家資格者の方が安心は出来ますよね。
また、国家資格者であるあん摩マッサージ指圧師が開いているお店でも、マッサージをする人が皆、資格者ではない場合もありますよ。