むちうち症の牽引は何のため?とにかく痛い!逆に悪化!?

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交通事故などで〝むちうち〟になってしまう事があります。

今回は、むちうちがそもそもどのようなものか、また牽引(引っ張る)治療の効果について解説していきます。

目次

むちうち症で牽引治療は何のためにやるの?

そもそも〝むち打ち〟とは、 正式な診断名ではない ので〝外傷性頸部症候群〟や〝頚椎捻挫〟と診断されます。

首の周りの筋肉や靱帯・関節包・脂肪等の結合組織が急激な外力によって損傷して起こります。
 

そしてその治療として、昔から牽引が多く行われてきました。

しかし、その理由は曖昧で、 損傷した筋肉や結合組織を牽引することで、痛みが減ることは解剖学的にも考えにくい です。

最近のイギリスの研究では、首の牽引は効果が無く、むしろ悪化を招くと発表されており、日本でも牽引治療は減ってきています。
 

むちうち症で牽引治療がとにかく痛いんです・・・

前述した通り、むちうちとは 筋肉や結合組織が急激な外力によって損傷した状態 です。
 

組織が急に強く引っ張られるために起こります。

組織に傷が入った状態になるので、 その状態で引っ張ると痛むのは当然 ですね。
 

例えると、輪ゴム(首)が急激に引っ張られて一部が裂けた(組織の損傷)とします。

その部分(損傷した首)を引っ張る(牽引する)とどうなるでしょうか?

輪ゴムは簡単に千切れますね。
 

このようなことが人間の体の中、むちうちの場合は首に起こるということです。

このように構成体を考え、原理的に考えると、むちうちの牽引治療で痛むのは当然ですね。
 

むち打ち症で牽引療法をしてたら逆に悪化した?

上記の通り、 むちうちに牽引をすると痛みは強くなります 

また、損傷した組織が引っ張られ続けると、 その他の部位にも影響をもたらします 
 

損傷した筋肉を引っ張り続けると、組織自体が更に痛むだけでなく、筋肉ヘの血流が悪くなったり、神経の圧迫による痺れが起こったりします。

 人間は痛い部位があると、自然と他の部位でカバーしようとします 

カバーする部位はたいてい普段以上に動かすこととなるため、痛めることが多くなります。
 

例えると、下に落ちているものを拾う場合、普通は腰を曲げて取る人が多いですが、その腰を曲げるのが痛くて出来ない人は、腰の代わりに膝を曲げて取ることになります。

そうなると、膝が普段より多く曲がらなければいけません。

その時に膝に対してのストレスが大きくなり、膝まで痛めてしまうといったことが起こります。
 

むちうちで牽引治療をしていると、首だけでなく、その他の部位が首のカバーをするので、必然的に首以外にも痛い部位が増えてしまいます。

また、牽引による痛みが続くと、首を動かすことが減ってしまうため、痛みだけで無く可動域制限(動く範囲が狭くなること)を招くこととなります。
 

首の動きが悪くなってしまうと、首から背中や腰、お尻まで筋肉や結合組織は繋がっているので、背中や腰を痛めてしまうケースもあります。
 

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まとめ

  • むちうちに対して牽引治療は最近では、減ってきています。
    原理的に考えてもやはり、お勧め出来る治療ではありませんね。

    むちうちに関しては、温熱(温める)治療装具での治療(頸椎カラーによる安静状態での固定)、薬物治療がメインとなります。

    難しく書きましたが、要するに ①温める、②痛くない状態で固定する、③痛み止め 等が主流ですね。

    そのため、むちうちにはストレッチも個人的にはあまりお勧めは出来ません。

    ちなみにMRIやCTでは、神経や骨の状態は確認出来ますが、筋肉や結合組織の状態は細かくは確認出来ません。

    前述した通り、むちうちは筋肉や結合組織の損傷なので、基本的に病院に行っても原因不明で診断名が正確には出にくいです。

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