膝の構造は複雑です。
膝といっても、いろんな部位があります。
そして膝の痛みの原因は様々です。
その原因は加齢であったり、成長であったり、オーバーユース、衝撃、病変など様々ですが、今回は、つかいたみを原因とする 筋肉に的を絞った膝裏の痛み について書いてみます
目次
運動しすぎを原因とする膝裏の痛みの正体は?
膝には歩くと体重の約1.2倍、走れば3倍、ジャンプをすれば6倍の重さがかかると言われています。
ちょっとジョギングをするだけでも膝には大きな負荷が絶え間なくかかることになるわけですが、ダッシュやジャンプ、急停止や方向転換を行うスポーツなどをすれば、膝への負担は相当なものですよね(*゚Д゚)
ですから当然と言えば当然なのかもしれませんが、スポーツをずっと続けていると、特にきっかけがなくても膝裏に痛みや違和感を覚えることがあります。
痛みが出るのは安静時ではなく、膝の曲げ伸ばしや、負荷がかかったときです。
それほど酷くなくても、激しいスポーツをして強い負荷がかかるときや、階段の上り下りなどでも症状は出やすいですね。
また、ずっと運動をしていなかった人が一念発起してジョギングなどを始めたときなども、膝裏を痛めてしまったりすることがありますね。
立ち仕事で長時間立っていることでも膝裏が痛くなることはあります。
特に激しいスポーツをしている人は、膝を痛めると靱帯や半月板の損傷を疑うことも多いと思いますが、一番多いのは 筋肉の疲労、筋肉の炎症 からくるものです。
月並みではありますが、激しい運動をする人は、入念なウォーミングアップとクールダウンが必要で、運動をこれから始める方は、少しずつ筋肉を慣らしていく必要がありますね。
膝裏外側が痛い場合
膝裏と言っても、痛む部位はいろいろあります。
その中でも膝裏の外側あたりが痛い場合に的を絞ると、腓腹筋外側頭を痛めている可能性が高くなってきます。
ふくらはぎをつくる大きな筋肉に腓腹筋があります。
この腓腹筋は内側頭と外側頭に別れ、外側を腓腹筋外側頭といいます。
そして、腓腹筋外側頭と大腿骨との付着部が、膝裏のやや外側あたりになるんですね。
腓腹筋は足首の関節の動きや膝の曲げ伸ばしに関係する筋肉で、この筋肉の外側の外側頭に疲労が蓄積すると周囲の筋肉や腱などの機能低下を招き、ついには炎症を起こし、痛みを誘発する流れとなります。
そして、その痛みは、筋肉と骨の付着部である腱やその周囲の筋肉に出てきやすくなります。
腓腹筋は普通に立っているだけで結構使われている筋肉で、疲労しやすい筋肉です。
入念なアップとダウンで労ってあげましょう。
それでも痛みが出たときは休息です。
1週間も痛みの原因となる運動をストップすれば、良くなることが大方でしょう。
膝裏の真ん中あたりが痛む場合
膝の裏の中央部分が膝の曲げ伸ばしや歩行時に痛む場合、膝窩筋(しつかきん)とよばれる小さな膝裏の筋肉の炎症であることがあります。
使いすぎもその原因の一つで、膝窩筋腱炎といいます。
膝窩筋は、膝関節の裏に付着している短く太めの筋で、太ももとすねの骨を後ろで斜め方向に繋げて周囲の筋肉を連動させる働きがあります。
作用としては〝膝の屈曲、脛骨の内旋〟というものがあります。
この小さな筋肉はつま先を上にあげる動作に深くかかわっていて、特に早歩きなど重心を前に傾けながら歩行するとき、膝が伸びすぎず膝を曲げる準備動作を担っています。
対処方法は腓腹筋外側頭の炎症と同様、しばらくの安静です。
もちろん、痛みのないときのウォームアップとクールダウン、普段からのストレッチが最大の予防法です。