真剣に介護関係の仕事への就職、転職を考えているけれど、介護業界ってあまりいい話を聞かないから不安だなと感じている人・・・。
やり甲斐のある仕事だから、とにかく頑張る!というのもアリですが、頑張れるのは、自分の生活がまともに成り立った上でのことです。
まずは、介護業界のお給料面について、詳しく知っていきましょう。
お金なんて二の次じゃぁありませんよ。
もちろん、それだけではないですが、最も大事なところの一つです。
目次
介護職の給料は低いというけれど・・・
とにかく、介護職の給料は低いと印象を皆さん持たれているのではないでしょうか?
ハイ、そのとおりです(ノД`)
介護業界は、その賃金の低さに加え、仕事内容のキツさ、休みのとりにくさ、夜勤の多さなどなどの理由で離職率も高いので慢性的な人手不足です。
事業者側としては、たくさんの優秀な人材が欲しいのに、介護保険制度改正による介護報酬の削減なども痛手となり、十分な給料が支払えないから、やっぱり人が来ないという悪循環に陥っています。
介護業界の就職戦線は、人手不足なので売り手市場と言えるかもしれませんが、実際に就職して働き出してみると、決して良い職場環境ではなく、結局すぐに離職してしまうといった人も多いので、本当の意味での売り手市場とは言えませんね。
では、低い低いというけれど、実際どの程度、介護職の給料は低いのでしょうか?
統計を元に見ていきましょう。
介護職の給料の平均はいくら?
毎年厚生労働省が統計を取っている賃金構造基本統計調査からデータを抜粋します。
平成29年分の統計が上がっていたので、その最新のデータです。
対象は以下のとおりです。
● フルタイム労働者
● 企業規模が10人以上の事業所のみ
● 性別、年齢、学歴、勤続年数を問わない全ての従業員
そして比較のため以下の5つの分類の平均値を表に上げています。
● 介護に限らない全ての産業
● 介護事業、社会福祉、社会保険に関する産業
● ケアマネージャー
● ホームヘルパー
● 福祉施設介護員
業種・職種 | 月給 | 賞与(年) | 年収 |
---|---|---|---|
全産業 | 333,800円 | 905,900円 | 4,911,500円 |
社会保険・社会福祉・介護事業 | 249,800円 | 582,200円 | 3,579,800円 |
ケアマネージャー | 265,300円 | 591,200円 | 3,774,800円 |
ホームヘルパー | 236,500円 | 297,600円 | 3,135,600円 |
福祉施設介護員 | 233,600円 | 493,300円 | 3,296,500円 |
まぁ、こうやってみる限りでも介護関係は全体の平均よりも年収ベースで100万円以上低くなっていますね。
現場で介護をする従業員は、150万円以上少ない感じです。
そして仕事内容のわりに賃金が低いと感じている人が、介護労働者全体の4割を超えます。
また、今の介護報酬では人材の確保・定着のために十分な賃金を払えないと回答している事業者が全体の5割を超えている状態です。
(出典:公益財団法人介護労働安定センター 平成28年度介護労働実態調査)
介護職員の給料が上がってきているってホント?
仕事内容のわりに給料の少ない介護関係の仕事ですが、少ないなりにも実は給料は上がってきているんです。
それは〝介護職員処遇改善加算〟の影響です。
なんだか、舌を噛みそうですが、それは何なのかサクッとお話ししておきます。
介護職員処遇改正加算とは、ズバリ国が介護事業所に、介護職の人達の給料を上げるために、お金を支給する制度です。
いくら介護職がやりがいのある仕事で、その仕事に就きたいと思っても、べらぼうに低い給料では、働き手がどんどん減っていってしまいます。
それに対して国が打った政策なんですね。
「なんだ、じゃぁ、これからは心配ないね・・・・。」
ってわけでもないんです。
そう、この制度、どんな介護事業所にも無差別でお金を支給してくれるわけではありません。
まぁ、そりゃそうです。
処遇改善加算を介護事業所が受けるには、 介護職員のキャリアアップの仕組みや職場環境改善の計画を立てなくてはなりません 。
もちろん事業所がです。
そして、その計画を県や市などの自治体に報告し、その報告をもとに、介護報酬に追加して支給するのです。
名前のとおり、介護職員の処遇を改善することにより介護報酬に加算されるんですね。
その結果、給与面での処遇も改善されるというわけで、介護職員にとっては有り難い話です。
ただ、もちろん、どんな計画でも良いわけではありません。
大手の事業所はそれを行えても、小規模事業者にはハードルが高い部分があります。
しかし、現在では既に9割を超える事業所が介護職員処遇改善加算を取得しています。
ただ、 どの事業所も同じ金額を貰えるかというとそうではない んです。
各事業所の取り組みによる、改善項目により、支給額に差が出るんですね。
そして、処遇改善加算による給与面の違いはもちろんなのですが、そもそも事業規模が大きくなるほど離職率は低くなっています。
なかなか外側から見ても内情は分かりませんし、一概には言えませんが、少しでも規模が大きく、離職率の少ないところに就職する方が無理なく頑張り続けられるでしょう。
介護職員の給与が月8万円も昇給する?
2017年末に閣議決定したことに、介護職員の給料を平均月8万円アップするというものがあります。
月に8万円のベースアップは大きいですよね。
え?けど、そんな話、誰からも聞いたことがないという人がほとんどでしょう。
決定は2017年ですが、実施されるのは2019年10月からです。
だったら、もうちょっとで8万円アップ!!!
そう、甘くはありません。
給料8万円のベースアップの対象者は介護職員全てではなく「介護サービス事業所における勤続10年以上の介護福祉士」だけなんです。
更に落とし穴があります。
国からのこの8万円は介護福祉士にではなく事業所に支給され、それを どう分配するかは事業所次第 なんです。
ですから、まるまる介護福祉士に給料として支給されるかどうかは分からないんですね。
普通に考えたら、介護福祉士の給料として全額出すところでしょうが、財源の厳しいカツカツの事業所だったら必ずしもそうなるとは言いきれません。
介護業界は慢性的な人手不足です。
少しでも大きくて待遇がしっかりしている事業所を、しっかりと探していきましょう。