一般的に病院で働くことが多いリハビリの仕事で「理学療法士」と「作業療法士」、「言語聴覚士」があります。
特に混同されがちなのが「理学療法士」と「作業療法士」ですが、名前が違うように、リハビリの種類が違います。
今回は、この「理学療法士」と「作業療法士」の違いやダブルライセンス(両方の資格を取ること)は可能であるのか、そして将来性についてなどを紹介していきます。
※当記事は現役理学療法士さんに書いて頂きました
目次
理学療法士と作業療法士の両方なることは可能なの?(PT・OT ダブルライセンス)
まず、理学療法士はphysical therapist、略してPTと呼び、作業療法士はOccupational therapist、略してOTと呼びます。
この2つの資格は国家資格ですが、両方の資格を取ることは可能です。
私の知り合いにもPT・OTのダブルライセンスの方がいます。
しかし、ダブルライセンスを取るということは、PTはPTとして、OTはOTとして それぞれ大学や専門学校行く必要があります 。
大学は4年間、専門学校は短くても3年間は通わなければいけません。
また、その通うあいだは学費もかかります。
専門学校では、年間で100万円程度はかかるため、1つのライセンスを取るまでに400~500万円は必要になってきます。
こう考えると、ダブルライセンスを取るためには膨大な時間とお金がかかります。
私の知り合いのダブルライセンスの方は、PTとして仕事をしているあいだに、OTにも興味を持ち、仕事をしながら夜間の学校で通ったと聞きました。
なかなかダブルライセンスを取ろうとなるまでには、それなりの覚悟がいりますね。
理学療法士と作業療法士の大きな違い
理学療法士・作業療法士はともに「身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう」と定義されています。
簡単に言うと、ケガや脳卒中などで体が弱った人に対して、家に帰られるように、いろんなリハビリをすることですね。
その方法として、体操や運動、電気を使ったり温めたりとするわけです。
ではPTとOTで何が違うのでしょうか?
PTは足のリハビリ、OTは手のリハビリとよく言われます 。しかし、そうと決まっているわけではありません。
PTは主に基本動作というものに対してアプローチをします。
基本動作とは、大まかに言うと、起き上がったり、立ったり、歩いたりといった、「移動手段」であり、PTはこの移動手段についてリハビリをします。
PTが足のリハビリと言われるのは、移動手段についてのリハビリで歩く機会が多いからですね。
一方、OTは主に日常生活活動動作というものに対してアプローチをします。
簡単に言うと、移動手段以外の応用動作になるので、トイレや着替え、お風呂についてリハビリをします。
OTが手のリハビリと言われるのは、手を使う動作のリハビリが多いからですね。
しかし、働き始めると、PTは移動手段、OTは応用動作に終止するわけではありません。
私はPTとして病院で勤務しています。
リハビリのメインは移動手段ですが、退院時期などを考えると、PTがトイレの動作やお風呂の動作をする場合もあります。
また、PTが歩く時に手を振れるように手に対してアプローチをすることもあります。
OTが、座ったり歩いたりのリハビリをする場合も勿論あります。
そのため、 実際の現場では、「PTだから」「OTだから」といってリハビリ内容は決めておらず 、患者様が困っていることについてリハビリをしています。
理学療法士と作業療法士で将来性は違ってくる?
前述した通り、現場ではPTとOTの違いはさほどありません。
そのため、 PTとOTで将来性は大きく違いはありません 。
しかし、共通して言えることは、治療家としての強みを持つことが大切です。
現在では、PT・OTは増えてきているので、他の人には無い強みがある人と無い人では、将来性は変わってきます。
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まとめ
そのため、将来性も大きく違いはありませんが、共通して強みを持つ事で将来性は変化します。
今後、PTやOTとして仕事をしていくなら、どちらの職業であれ、強みを持つ事は必要ですね。