司法取引の導入を盛り込んだ刑事司法改革関連法案が、今月7日衆院を通過しました。
今後、参議院での審議を経て、今国会で成立する見通しです。
ところで!!
〝司法取引〟ってなんぞ??
目次
司法取引導入ってどういうこと?
司法取引というのはですね、まぁアメリカ映画なんかをちょくちょく見る人だったら見聞きしたことがあるんじゃないかと思います。
というのも、実際アメリカでは司法取引がバンバン行われていて、当たり前だからなんです。
そもそも司法取引とは 検察官と被告人や被疑者(容疑者)の取り引き で、 被告人の罪を軽減する制度 です。
アメリカでは実に全訴訟の9割以上で司法取引が行われているとのことです。
しかし、司法取引がガッツガッツ行われているアメリカの司法取引と、日本で導入される司法取引は内容が結ちょっと違うんです。
アメリカの司法取引は、被告人が自分の罪を認める事と引き替えに、検察官が求刑を軽減するといった内容なのですが、日本に導入される司法取引にそういった内容の司法取引はありません。
日本で導入される司法取引は〝捜査協力型〟と言えるもので、捜査に協力して他人の犯罪を明らかにする事と引き替えに、検察官が求刑を軽減したり起訴を見送ったりする内容です。
つまりは、組織的な犯罪の黒幕摘発、芋づる式の逮捕、そして事件の全容解明などが大きな狙いです。
ただ、実際の導入の背景には、今回の法案で〝取り調べの可視化〟の義務付け、つまり取り調べの録音や録画が盛り込まれていることが大きく関係しています。
それが実現すれば、録音されていることを理由に供述を拒む容疑者が増えるとみられるので、その状況下で供述を引き出せる武器として〝司法取引〟も盛り込まれることになったようです。
司法取引が適用される犯罪は限定的 振り込め詐欺は?
司法取引が導入されても、全ての犯罪に適用されるのではありません。
対象となるのは詐欺、経済犯罪や政治家の汚職、それに薬物(危険ドラッグ)や銃の密売などの事件に限定されます。
まぁ、共犯者が多くいて、黒幕がいて、事件の全容が複雑な組織犯罪ですね。
ですから、例えばケンカをして傷害事件で立件されたとしても、司法取引はできませんので、検事さんに持ちかけても無駄ってことです(=_=)
分かりやすいのが〝振り込め詐欺〟系のやつですね。
ちょっと前までで言うところの〝オレオレ詐欺〟です。
振り込め詐欺は組織的な犯罪であることが多く、電話を掛ける〝架け子〟、ATMから引き出しをする〝出し子〟、現金を直接受け取る〝受け子〟などを逮捕しても、アルバイト感覚でやっている若者が捕まるだけで、振り込め詐欺の減少には繋がりません。
このような犯罪の場合に、司法取引で組織の内情を知ることが出来れば!!ってとこなのですが、この場合はその末端がどこまで把握しているかですね。
司法取引のメリットとデメリット
司法取引のメリットは、黒幕の逮捕、事件の全容解明、検挙率アップといったとこですが、メリットがあるもの必ずデメリットが存在します。
日本で司法取引が導入されてこなかったのはこのデメリットがあるからなんですね。
デメリットは大きく以下の2つです
しかし、被害者にとっては犯人の罪が軽減されることが許せないといった被害者感情がどうしても出てきます。
司法取引が導入される事が濃厚な状況ですが、果たしてメリットとデメリット、どっちがより強く表れてくるのでしょうか。
今後の動向が注目されます。