日本の最大瞬間風速ベスト10|71mってどんな?瞬間風速と最大風速と平均風速

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2015年、台風15号(コーニー)が直撃した石垣島では、8月23日の午後9時すぎに 観測史上最大の瞬間風速71.0メートルを記録 して、午後8時半までの1時間に65.0mmの非常に激しい雨が降りました。

このとんでもない風によって、石垣島では、家の窓ガラスが割れ、停電が発生し、更には車が横転するなどの被害が出ました。

ところで、8月23日に記録された観測史上最大っていうのはあくまで石垣島での話ですので、今までにもっと強い風速を記録している地域もあるんです。

目次

日本の最大瞬間風速ベスト10

日本の最大瞬間風速の上位10地点をご紹介(・з・)ノ
車が横転するほどの石垣島の71メートルの風ってどれくらいなんでしょうか?

第1位 富士山(静岡県)
91.0メートル 南南西の風
1966年9月25日観測
※この記録は旧富士山測候所による観測データで現在は観測していません。
第2位 宮古島(沖縄県)
85.3メートル 北東の風
1966年9月5日観測
※平地部での国内最大瞬間風速で、台風18号によって観測された。
第3位 室戸岬(高知県)
84.5メートル 西南西の風
1961年9月16日
※台風の中継といえば室戸岬というくらいよく出てくる場所。この記録はいわゆる第二室戸台風によるもの。
4位以下

第4位 名瀬(鹿児島県)
78.9メートル 東南東の風
1970年8月13日

第5位 那覇(沖縄県)
73.6メートル 南の風
1956年9月8日

第6位 宇和島(愛媛県)
72.3メートル 西の風
1964年9月25日

第7位 石垣島(沖縄県)
71.0メートル 南南西の風
2015年8月23日

第8位 与那国島(沖縄県)
70.2メートル 
1994年 8月7日

第9位 西表島(沖縄県)
69.9メートル 北東の風
2006年9月16日

第10位 剣山(徳島県)
69.0メートル 南南東の風
1970年8月21日

※同地点の第1位の最大瞬間風速のみで比較


以上、上位10地域のうち1位の富士山と10位の剣山は山頂の風なので、ちょっと他の記録とは並べて比べられないかなってのがあります。
その2つを除けば、今回の石垣島を含め8地域のうち5地域までが沖縄県です。

やはり沖縄あたりにいる頃の台風の勢力は凄いってことが、この数字からも分かりますね。

けど、こうやって記録した年を見てみると、今年観測した7位の石垣島、9年前観測の9位の西表島、そして21年前観測の8位の与那国島以外は全て1970年以前、つまり今から45年以上も前の記録ばかりです。
発生月日からもおそらく全て台風による強風でしょうから、この記録をみる限り、昔の台風の方が今よりも強かったのかと思えますね。

台風による大規模災害が引き起こされることは昔に比べれば少なくなっている昨今ですが、それは防災対策が進んでいった結果だけでなく、台風そのものが、例えば〝昭和の三大台風〟などと呼ばれるものほどの大台風が日本本土に上陸していないだけなのかもしれません。

最大瞬間風速71メートルってどんな感じ?

それでは、昨日石垣島で観測された風速71メートルとは具体的にどんな感じなのでしょうか?
ニュースではガラスが割れたとか、自動車が横転したってのが印象的でした。
ちなみに、秒速71mを時速とkmに直すと時速255.6kmです。
カウルの全くないオートバイで、255キロで走る感じですね。
まぁ、普段300km以上出すこともあるプロのレーサーでも無理なんじゃないでしょうか。

ちなみに気象庁の〝風の強さと吹き方〟という一覧では、瞬間風速が60m/sを越えてくると「住家で倒壊するものがある。鉄骨構造物で変形するものがある。」となっています。

また、竜巻などの突風により発生した被害状況から風速を大まかに計測する藤田スケールというものを見てみると、風速50~69mのF2という値で「住家の屋根がはぎとられ、弱い非住家は倒壊する。大木が倒れたり、ねじ切られる。自動車が道から吹き飛ばされ、汽車が脱線することがある。」なっており、風速70~92mのF3という値では「壁が押し倒され住家が倒壊する。非住家はバラバラになって飛散し、鉄骨づくりでもつぶれる。汽車は転覆し、自動車はもち上げられて飛ばされる。森林の大木でも、大半折れるか倒れるかし、引き抜かれることもある。」とされています。

この藤田スケールから見ると、昨日の石垣島の風邪は71メートルですがF2に該当しそうですが、上記ベスト10の6位以上のときはF3くらいの被害が出ていたのかもしれません。

とんでもないですね( ・_・;)

最大瞬間風速と瞬間風速と最大風速と平均風速

ところで上記のベスト10は〝最大瞬間風速〟についてですが、そもそも最大瞬間風速って何なのでしょうか?

他にも風速に関係する用語には、ただの〝瞬間風速〟や〝最大風速〟〝平均風速〟なんてのもあります。

それぞれの意味を簡単に見ていきましょう。

まず基本となる〝風速〟の意味からです。
風速とは文字通り〝風の速さ〟、つまり〝風として空気が移動する速さ〟のことです。
速さですので気象庁などで通常使われる単位は〝m/s〟つまり秒速何メートルか、もっとかいつまんで言えば一秒間に何メートル進むかで表します。
この表記は、特に誤解される恐れのない場合は、単に〝メートル〟と表記すれば、それがm/sの意味であるという意味で捉えるようです。
国際的にはノット(kt)が用いられていますが、ここではm/sで話を進めます。

気象庁でもちいる〝風速〟とは〝平均風速〟のことで、 10分間の平均風速を指して〝風速〟 と言っています。

〝最大風速〟は10分間平均風速の最大値のことです。
例えば、「昨日の◯◯の最大風速は△△メートルでした。」という場合の△△メートルは、前日の◯◯の10分間平均風速の最大値のことを言っています。

次に〝瞬間風速〟です。
瞬間風速とは、0.25秒ごとに更新される3秒(12サンプル)平均のことを言います。
つまり、その一瞬の風のことですが、私たちの持つイメージの一瞬よりも3秒なので長めですね。

〝最大瞬間風速〟は瞬間風速の最大値、まぁ文字通りの意味ですね。
瞬間最大風速と言われることも多いですが、それは間違いです。

今回、石垣島で記録した71.0メートルという数値は〝最大瞬間風速〟でしたので、
瞬間的に、3秒平均で71.0メートルの風を記録したってことですね。

●石垣島での71.0mが観測された36日後、与那国島で更に凄い風が吹きました
最大瞬間風速81.1m与那国島観測史上最大|ベスト10更新|どんな風?

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まとめ

  • 昨日の石垣島での観測史上最大の瞬間風速71メートルで車が横転していた
  • 日本の最大瞬間風速第1位は富士山頂剣が峰での91.0メートル

  • 平地部での国内最大瞬間風速は宮古島での85.3メートル

  • 最大瞬間風速上位10位のうち平地部は8地点で、うち5地点は沖縄

  • 最大瞬間風速上位10位のうち7~9位以外の7地点は45年以上前の記録

  • 風速71メートルとは時速255.6キロメートル

  • 風速とはつまり風として空気が移動する速さ

  • 気象庁でもちいる風速とは平均風速のことで、10分間での平均風速を指す

  • 瞬間風速は3秒平均の瞬間の風速で、最大瞬間風速はその最大値
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