健康保険リハビリ150日?日数制限と除外疾患|訓練の種類

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怪我などでリハビリを受けている患者さんから「いつまでリハビリを受けられるの?」と質問を受けることがあります。

今回は、リハビリの日数や、疾患による違いなどについてお話していきます。
 

※当記事は現役理学療法士さんに書いて頂いています
 

目次

健康保険を使ってのリハビリは150日で終了!?

健康保険を使用してのリハビリには、150日まで受けられる、いえ、 150日までしか受けられない というルールがあります。
 

診療報酬と呼ばれる医療行為のお金の計算をする制度のルールです。

リハビリの対象となる体の部位に応じて、日数の上限が定められています。

骨折などの運動器と呼ばれるリハビリの場合、骨折した日・怪我した日から150日までが上限として定められています。
 

しかし、この150日のルールには例外があります。

「治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合」には、150日を越えても、リハビリを継続することがよいとされています。

簡単に言えば、「良くなる見込みがある場合」ですね。
 

ただし、例外的にリハビリの継続が出来る場合でも、1ヶ月に13単位(1単位20分)に限られます。
 重症である場合、かなり不十分 ではありますね。
 

また重要なのは、「医師の判断の下」良くなる見込みがある人とされた場合のみとなる事です。

いくら理学療法士や作業療法士のリハビリのスタッフが必要と考え説得しようが、医師が判断してくれないと150日を超えてもリハビリをすることは出来ないということです。

そもそもリハビリのスタッフは医師からの指示の下、リハビリをするので、 医師の判断がすべて になります。
 

リハビリの日数制限と除外疾患について

基本的にリハビリには、骨折などの「運動器」、脳卒中などの「脳血管疾患」を原因とするものがあります。
 

運動器のリハビリは原則、発症してから150日までとなっています。

しかし、その 日数制限から除外されるケースがあります 

その条件は、以下の2つを両方満たした場合になります。

① 除外対象患者(厚生労働大臣の認めた患者)
病気の種類によって除外されるものがあります。
多く種類があるため、後ほど紹介します。

② 「状態の改善」が期待できると医学的に判断される患者
前述した通り、「医学的に判断」するのは「医師」になります。

日数を超えてリハビリを継続するには、この2つの条件両方を満たすことが必要とされています。

また、改善とは「身体機能の改善」を意味しており、 除外される人は非常に限局的 です。
 

日数制限が除外される疾患には、神経系のものや難病と呼ばれるものが多く定められています。

① 失語症、失認及び失行症
② 高次脳機能障害
③ 重度の頸髄損傷
④ 頭部外傷及び多部位外傷
⑤ 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
⑥ 心筋梗塞
⑦ 狭心症
⑧ 軸索断裂の状態にある末梢神経損傷(受傷後1年以内のもの)
⑨ 外傷性の肩関節腱板損傷(受傷後180日以内のもの)
⑩ 回復期リハビリテーション病棟入院料の算定患者
⑪ 回復期リハビリテーション病棟を退棟した日から起算して3月以内の患者

パット見ると、難しいですが、単純な怪我や骨折のみだと除外されることはまず無いということですね。
 

リハビリ訓練の種類にはどんなものがある?

リハビリの訓練にはいろんなものがあります。

多くは ストレッチなどの関節可動域練習、筋力トレーニングがメイン になります。
 

また、骨折などで体重をかけてはいけない時期がある場合は、荷重練習といって徐々に体重をかけていく練習などもあります。

あとは、「ストレッチで身体を柔らかくして痛みを取るだけ」、「筋力をつけるだけ」では身体はすぐに元通りに悪くなってしまうので、そうならないように身体に良い運動方向を覚えさせる神経筋教育運動学習などがあります。

せっかく身体を良い状態にしても、その身体の使い方を身体に教えてあげないと、悪い状態に戻ってしまうということですね。
 

まとめ

  • 現状のリハビリテーションに関する法律には、様々な意見があります。
    特に日数制限については反対意見も多数出ています。

    しかし、日本は医療に掛かる金額が大き過ぎるため(健康保険の)、病院でのリハビリなども「より短い期間で退院」させて、「医療にかかるお金を少なく」していく方向にあります。

    そのため、日数制限や除外疾患のルールが改正されて緩くなることは、あまり望めないでしょう。

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