日本は小さい国という印象をお持ちかもしれませんが、実はそこそこ大きい国、そして南北に長い国です。
日本の多くは温帯気候ですが、最北の北海道は亜寒帯、沖縄は亜熱帯であり、気温にも大きな隔たりがあります。
そして寒い冬、中でも特に寒そうなのは北海道ですが、実際はどうなのか日本全国の最低気温のランキングをトップ20まで見ていこうと思います。
あと、今シーズンの冬の気温の見通しと真冬の気象用語について簡単に解説しておきますね。
目次
日本の最低気温ランキング歴代20位 マイナス40度以下も?
昔、モービルのエンジンのオイルのCMで「氷点下40度の世界ではバナナで釘がてます。新鮮なバラもこのとおり。」とやっていましたが、そんな世界は日本にあるのでしょうか?
では、見ていきましょう。
※各地点の観測史上1位の値でのランキング
順位 気温 観測日 観測地点
1位 -41.0℃ 1902.1.25
北海道 上川地方 旭川(アサヒカワ)
2位 -38.2℃ 1902.1.26
北海道 十勝地方 帯広(オビヒロ)
3位 -38.1℃ 1978.2.17
北海道 上川地方 江丹別(エタンベツ)
4位 -38.0℃ 1981.2.27
静岡県 富士山(フジサン)
5位 -37.9℃ 1978.2.17
北海道 宗谷地方 歌登(ウタノボリ)
6位 -37.6℃ 1978.2.17
北海道 上川地方 幌加内(ホロカナイ)
7位 -37.0℃ 1978.2.17
北海道 上川地方 美深(ビフカ)
8位 -36.8℃ 1985.1.25
北海道 上川地方 和寒(ワッサム)
9位 -36.1℃ 1978.2.17
北海道 上川地方 下川(シモカワ)
10位 -35.9℃ 1985.1.24
北海道 宗谷地方 中頓別(ナカトンベツ)
11位 -35.8℃ 2001.1.14
北海道 上川地方 占冠(シムカップ)
11位 -35.8℃ 1990.1.28
北海道 上川地方 朱鞠内(シュマリナイ)
13位 -35.7℃ 1982.2.2
北海道 上川地方 名寄(ナヨロ)
13位 -35.7℃ 1945.1.27
北海道 後志(シリベシ)地方 倶知安(クッチャン)
15位 -35.6℃ 1985.1.24
北海道 上川地方 中川(ナカガワ)
16位 -35.4℃ 1985.1.25
北海道 留萌(ルモイ)地方 幌糠(ホロヌカ)
16位 -35.4℃ 1978.2.17
北海道 網走地方 佐呂間(サロマ)
18位 -35.2℃ 1978.2.17
北海道 紋別地方 滝上(タキノウエ)
19位 -35.1℃ 1985.1.25
北海道 上川地方 士別(シベツ)
20位 -34.9℃ 1982.2.5
北海道 上川地方 音威子府(オトイネップ)
最低気温ランキングから見えること
さて、20位までの日本の歴代最低気温を見てみましたが、予想通りといいますか、予想以上に北海道だらけでした。
唯一北海道ではないのが、富士山山頂です(^_^;
そして目についたのが11位の2001年の占冠を除いて全てが1990年以前なんですね。
そして2001年から16年間一度もこのランキングに変動はありません。
やっぱり温暖化なんですね~。
最高気温の真逆の現象です。
●最高気温ランキングはコチラをご覧ください。
⇒ 日本の最高気温ランキング40℃超
ちなみに、1978年の2月27日に最低気温を記録しているのが7地点。
1位と2位は1902年の1月25日と26日です。
超強力な寒波が襲来すれば、一気に各地で最低気温を記録するって感じですね。
そして北海道の中でも特に上川(かみかわ)地方が目につきます。
20位中19地点が北海道で、そのうち12地点が上川地方です。
上川地方は北海道の内陸の中の中のド真ん中あたりから北に掛けての地域です。
やっぱり内陸部は寒いんですね
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
分かりやすいように、上記の富士山以外の地点を全て地図にポイントしておきます。
そして、上川地方は紫のポイント、その他は青のポイントを付けておきました。
この地図を見ても分かるように「日本で一番寒い所は何処?」って聞かれたら「北海道の道北の内陸部」と明確に回答できそうですね。
今年の冬の気温はどうなる?
今年、といいますか今シーズン(今冬)の気温も気になるところです。
雪は西日本の日本海側と関東地方が黒潮大蛇行の影響で多くなるとの予想なんですが、気温はどうなるのでしょうか?
●積雪量のランキングはコチラでご覧ください。
⇒ 積雪量ランキング 日本のトップ20地点マップ付き
気象庁の長期予報で見ると12月~2月の平均気温は、東北地方と北海道は平年よりやや高め、沖縄は平年並み、それ以外は平年よりやや低めになる予想になってます。
覚えておきたい真冬の気象用語
冬に良く出てくる気象用語を簡単にまとめておきますので、頭の隅にでも入れとくと天気予報を見る(聞く)ときに分かりやすいですよ。
日最低気温が0度未満の日
【真冬日】
日最高気温が0度未満の日
【暖冬】
冬(12月~2月)平均気温が3階級表現で「高い」冬。
【寒冬】
冬(12月~2月)平均気温が3階級表現で「低い」冬。
【最低気温】
通常は1日の最低の気温のこと。日の境は午前0時。
【平均気温】
日平均気温は1時~24時までの毎正時24回の観測地の平均。
月(年)平均気温は毎日(月)の平均気温の月(年)間の平均。
【氷点下】
説明するまでもないが気温0度以下。
ちなみに気象庁では「マイナス」とは言わず「氷点下」と言う。
【平年並】
平年値より、およそ1度以内。
●平年値についてはコチラをどうぞ
⇒ 平年並みって?
【西高東低の気圧配置】
日本付近から見て西が高く東が低い気圧配置。冬期に典型的に現れる気圧配置。
【冬型の気圧配置】
大陸に高気圧、日本の東海上から千島列島(北海道の東方)方面に発達した低気圧がある気圧配置。
大雪警報や暴風雪警報程の現象を伴う場合は、「強い冬型の気圧配置」といった表現を用いることもあり、時間的、空間的に小さな西高東低の気圧配置は「冬型の気圧配置」とはいわない。
【寒波】
主として冬期に、広い地域に2~3日、またはそれ以上にわたって顕著な気温の低下をもたらすような寒気が到来すること。
【寒気】
周りの空気に比べて低温な空気。
【寒気が入る】
寒気が流れ込むこと。このことにより気温が下がったり大気の状態が不安定になる。
【寒気の吹き出し】
冬型の気圧配置に伴い、シベリア方面の高気圧が張り出し、強い寒気が南下してくること。
【大気の状態が不安定】
局地的な対流活動が起こりやすいこと。
上空に寒気が流れ込んだり、下層に暖かく湿った空気が入った場合に生じることが多い。
ちなみに「不安定な天気」とは言わない。
【冷え込む】
日中の暖かさに対し、朝や晩の気温の下がりが大きいこと。