つい先日の6月20日、イギリスのタイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が2016年のアジア大学ランキングを発表しました。
そして調査開始以来3年連続で1位の座についていた東大が遂に首位陥落です。
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⇒ THE世界大学ランキング2016-2017ベスト10|日本の大学はどうなった?
目次
THEアジア大学ランキング2016のTOP10詳細
〝THE〟とは、イギリスのタイムズ紙が新聞の付録冊子として毎年秋に発行している高等教育情報誌〝The Times Higher Education(ザ・タイムズ・ハイヤー・エデュケーション)〟の略で、〝ザ・ベスト10〟とかの〝ザ〟ではないんですよ~。
その〝THE〟が、アジア諸国をはじめ、トルコ・中東を含めた22か国の大学を対象に調査し、上位200大学を決定しました。
それでは早速、そのアジア最高峰とされる大学のTOP10をご紹介いたします!
※ カッコ内は昨年の順位
シンガポールの南西部ケントリッジと呼ばれる丘一帯にある大学。
東南アジア諸国、中国、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカなど世界の100ヶ国以上からの留学生を迎える非常に国際色豊かな大学。
11の学部とスクールがあり、様々な施設や建物が緑に囲まれた広大な敷地内に集まっている。
卒業生はシンガポール政府などの官僚、金融セクターやグローバル企業への就職が多い。
シンガポール国立大学とともにシンガポールで双璧をなす大学。
シンガポールの西に位置し、シンガポール最大かつ工科系大学として世界最大級の敷地を持つ。
大学は4つの「カレッジ」から構成され、各カレッジの下に日本での学部に相当する「スクール」が属している。
大学の略称は北大(ベイダァ)。
本部キャンパスは、北京市海淀区に位置し、中国のシリコンバレーと呼ばれる中関村に隣接する。
本部キャンパス以外に、北京市内、江蘇省無錫市、広東省深圳市に5つのキャンパスを構えている。
80以上の国から4,000名ほどの学生が留学している。
留学生の出身国として上位を占めるのは、韓国、アメリカ、日本、タイ、シンガポール。
香港で一番歴史の長い大学。
授業はすべて英語で行われていて、講義以外にも学生だけで討論する授業もある。
留学生の受け入れにも積極的で、世界中の国から留学生がたくさん留学してきているが、一番多いのは中国本土から。
大学の略称は清華(チンホワ)。
14の学院と56の系を有する総合大学。
各界に多数の人材を輩出しており、特に工程技術人材を大量に養成してきたため、「エンジニアの揺籃」と呼ばれる。
米経済誌「フォーブス」は2010年3月、最も美しい大学キャンパスランキングを公表し、選ばれた合計14校の大学の中で、唯一アジアからランクインした。
香港・新界に本部を置く香港の公立大学。
中国返還前に香港にアジアを代表する研究教育機関をという当時の香港総督エドワード・ユードと鍾士元名誉博士の志のもと設立された大学。
科技大学という名称だが、人文社会科学系の教育研究も行う総合大学。
教授の大半は欧米の著名大学出身者であり、米国流のケースメソッドを中心としたスタイルを採っている。
言わずと知れた我が国最高峰である東大。
THEアジア世界大学ランキングでは調査開始以来3年連続1位の座についていたが、2016年の今回はあえなく7位に陥落。
慶尚北道浦項市に本部を置く私立大学で、韓国最初の研究中心大学。
〝浦項〟は〝ポハン〟と読む。大学の略称はポステク。
4つの基礎科学研究院(IBS)研究団の誘致に成功し、国家的な基盤研究施設である3世代放射光加速器で新素材研究と新薬開発など、今まで未知の世界だった原子の動的現象の観察と研究に力を注ぐ。
2016年に21世紀未来産業を牽引する4世代加速器をアメリカと日本に続く世界3番目に竣工することになっている。
ソウル市冠岳区に本部を置く国立大学。
韓国の大学は大学内の専攻組織の構成が日本と異なっており、ソウル大学の場合も同様で「ソウル大学校―○○大学―○○学部/○○学科」という入れ子構造になっている。
もともとは学科制であり、学部はなかったが、1990年代末から学科を統合して学部を設ける傾向も見られる。
ただし、その場合でも、学部はソウル大学校の下にすぐ属するのではなく、大学(分科大学)の下に属している。
しかし自由専攻学部のように、大学校のすぐ下に属する学部もある。
大田広域市儒城区に本部を置く国立大学。
設立の背景は、高度科学技術人材を輩出する体系的な理工系大学院を韓国国内に設立する必要性、海外への頭脳流出の抑制等で、国内初の研究中心の理工系大学院として発足。
グローバル急進政策の代表校として、全ての講義が英語で行われている。
トップ10を見ると、1位と2位をシンガポールが独占、中国、香港が2校ずつ。
そして韓国が8~10位の3校で、日本からはずっと1位だった東大がなんとか7位に食い込むといった感じでした。
ちなみに11位~20位は以下の大学です。
ここにはイスラエルの大学が2校、台湾の大学が1校入っています。
京大は11位、昨年9位からの陥落です。
12位(16)成均館大学校(韓国)
13位(13)香港中文大学(香港)
14位(26)中国科学技術大学(中国)
15位(17)国立台湾大学(台湾)
16位(23)香港城市大学(香港)
17位(25)ヘブライ大学(イスラエル)
17位(26)高麗大学校(韓国)
19位(24)復旦大学(中国)
20位(22)テルアビブ大学(イスラエル)
※ カッコ内は昨年の順位
東大と京大はどうなってるの?
上記で記載したように東大は〝THEアジア大学ランキング〟調査開始以来3年連続1位だったところが突然の7位に。
そして京大は9位から11位へとトップ10圏内から脱落しました。
また、後に記載していますが全体的に日本の大学は順位を落としている傾向です。
日本の大学、いったいどうなってしまっているのでしょうか。
THEアジア世界大学ランキングの評価基準は、「教育の質・学習環境」「学生と教員の国際性」「産学連携による収入」「研究の質」「論文被引用数」の5分野に大別されるのですが、さらに詳細な評価項目はTHEが毎年発表している世界大学ランキングと同様の13項目を基準にしています。
そして2016年はさらに、アジア地域における大学を正確に評価するため評価比重に変更があり、その変更分野は2つありました。
「教育の質・学習環境」が2015年の30%から2016年は25%に、そして「産業連携による収入」が2015年の2.5%から2016年は7.5%となっています。
その他、各分野に含まれる詳細な項目でも、比重の変更があったようで、その影響もあるでしょう。
日本の大学の低迷を一言で言うと、「大学の資金が諸外国と比べて少なく、海外との競争や国際化などで新たな価値を創造できていない。」といった感じで指摘されています。
けど、各評価基準を見ると東大は6つのうち全てがマイナスになっています。
そして、どの大学も特に〝国際性〟がとっても低く、今年はそれが更に低くなっています。
京大は産学連携だけは伸びていますね。
THEアジア大学ランキング上位200位に入った日本の大学は?
THEアジア大学ランキングの200位圏内にランクインした日本の大学は、以下のとおり全部で39校でした。
うち100位内が14校です。
11位(09)京都大学
23位(19)東北大学
24位(15)東京工業大学
30位(18)大阪大学
34位(32)名古屋大学
46位(48)筑波大学
48位(58)九州大学
49位(63)北海道大学
52位(33)首都大学東京
59位(40)東京医科歯科大学
73位(78)広島大学
97位(100↓)東京農工大学
99位(91)大阪市立大学
101位~200位
千葉大学、金沢大学、順天堂大学、慶応大学、神戸大学、横浜市立大学、熊本大学、岡山大学、徳島大学、東京理科大学、早稲田大学、豊橋技術科学大学、岐阜大学、近畿大学、東京海洋大学、愛媛大学、九州工業大学、新潟大学、大阪府立大学、埼玉大学、信州大学、横浜国立大学、長崎大学、東海大学、鳥取大学
※ カッコ内は昨年の順位
こうしてみると、やはり大半の大学が順位を落としていますね。
2015年は100位内に入っていた早稲田、慶応、順天堂、神大、岡大、千葉大なども順位を100位以下に落としています。
逆に順位を上げている100位以上の大学は、筑波大学、九州大学、北海道大学、広島大学、東京農工大学の5校です。
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