最近の暑さは異常で、熱中症で倒れる人もたくさんいますよね。
そして今では、暑いときの運動、労働などの熱中症対策に水分補給(塩分も)がとても大切であることは、広く一般に浸透しています。
しかし昔は、何かスポーツをされていた人でしたら、練習中に水分を取ることを禁止されていた人も多かったんじゃないでしょうか?
どうですか?30年程前なんかは、思いっきりそうでしたよね?
それでも、今のように熱中症で倒れるなんてことは殆どなかったと思います。
そもそも熱中症なんて言葉も無かったですしね。
そして、その理由として、
「昔の暑さは、今と比べれば全然マシだった。」
という意見と
「昔も今と同じように夏は相当暑かった。今の子は貧弱だ。」
といった2通りの意見が出てくることがありました。
さて、これってどうなんでしょうか?
30年前の最高気温と比較して、果たして〝今の暑さと昔の暑さは違うのか〟違うのであれば〝どう変わったのか〟を見てみることにしました。
目次
今と昔の暑さを最高気温から比較する
その年によって、異様に暑かった年、冷夏だった年なんかもあるかとは思いますので、2010年~2017年の8年間と30年前の1980年~1987年の8年間について、東京での8月の最高気温のデータから、31日間の猛暑日、真夏日、夏日、夏日にもならなかった日、それに31日間中の最高気温の平均値、最高気温の最高値、最高気温の最低値をとりあえずピックアップしてみました。
●東京の8月の猛暑日、真夏日、夏日、夏日未満の日数
(1980年~1987年、2010年年~2017年)
〝+〟が左端に出ている場合は、クリックするとさらに情報が出てきます
年 | 猛暑日 35℃以上 | 真夏日 30~35℃未満 | 夏日 25~30℃未満 | 夏日未満 25℃未満 |
---|---|---|---|---|
1980年 | 00日 | 05日 | 18日 | 08日 |
1981年 | 00日 | 16日 | 15日 | 00日 |
1982年 | 00日 | 20日 | 11日 | 00日 |
1983年 | 02日 | 17日 | 11日 | 01日 |
1984年 | 01日 | 26日 | 04日 | 00日 |
1985年 | 00日 | 27日 | 04日 | 00日 |
1986年 | 00日 | 20日 | 10日 | 01日 |
1987年 | 00日 | 21日 | 09日 | 01日 |
8年平均 | 00.4日 | 19.0日 | 10.3日 | 01.4日 |
年 | 猛暑日 35度以上 | 真夏日 30~35度未満 | 夏日 25~30度未満 | 夏日未満 25度未満 |
---|---|---|---|---|
2010年 | 06日 | 24日 | 01日 | 00日 |
2011年 | 03日 | 18日 | 08日 | 02日 |
2012年 | 04日 | 25日 | 02日 | 00日 |
2013年 | 05日 | 23日 | 03日 | 00日 |
2014年 | 04日 | 17日 | 08日 | 02日 |
2015年 | 08日 | 12日 | 05日 | 06日 |
2016年 | 01日 | 25日 | 04日 | 01日 |
2017年 | 01日 | 18日 | 09日 | 03日 |
8年平均 | 04.0日 | 20.3日 | 05.0日 | 01.8日 |
●東京の8月の最高気温の平均値、最高値、最低値
〝+〟が左端に出ている場合は、クリックするとさらに情報が出てきます
年 | 最高気温の平均 | 最高気温の最高 | 最高気温の最低 |
---|---|---|---|
1980 | 26.6℃ | 32.2℃ | 21.2℃ |
1981 | 30.0℃ | 33.9℃ | 26.7℃ |
1982 | 30.2℃ | 33.0℃ | 25.6℃ |
1983 | 31.0℃ | 37.1℃ | 23.5℃ |
1984 | 32.4℃ | 35.0℃ | 26.5℃ |
1985 | 31.6℃ | 33.9℃ | 26.7℃ |
1986 | 30.4℃ | 34.6℃ | 24.0℃ |
1987 | 30.8℃ | 34.0℃ | 24.2℃ |
8年平均 | 30.4℃ | 34.2℃ | 24.8℃ |
年 | 最高気温の平均 | 最高気温の最高 | 最高気温の最低 |
---|---|---|---|
2010 | 33.5℃ | 37.2℃ | 28.9℃ |
2011 | 31.2℃ | 36.1℃ | 22.9℃ |
2012 | 33.1℃ | 35.7℃ | 29.4℃ |
2013 | 33.2℃ | 38.3℃ | 28.5℃ |
2014 | 31.2℃ | 36.1℃ | 23.0℃ |
2015 | 30.5℃ | 37.7℃ | 21.0℃ |
2016 | 31.6℃ | 37.7℃ | 21.0℃ |
2017 | 30.4℃ | 37.1℃ | 22.8℃ |
8年平均 | 31.8℃ | 37.0℃ | 24.7℃ |
30年前の最高気温と比較してどう変わったか
上記の東京における8月の最高気温の各データを見てみると、やはり30年前よりも今の方が暑くなっている事は、すぐに分かります。
そして、30年前にも35℃を超える猛暑日はあったものの(言葉は無かったが)、それはホントに稀だったんですね。
1980年~1987年の8年間でたったの3日しかありません。
しかし、2010年~2017年の8年間では32日と実に10倍以上です。
30℃を超える真夏日の日数も増えています。
30年前は平均すると31日中19日だったのが、現在では約20.3日。
猛暑日を合わせた日数で見ると30年前が約19日だったところ、現在では24.3日と1ヶ月の6割ほどだったのが8割弱になりました。
一方、最高気温25℃以上の夏日は今よりも30年前の方が多いです。
理由は真夏日と猛暑日が増えたからです。
そして、最高気温の平均を見ますと、現在は30年前よりも約1.4℃高く、8月の最高気温の最高値だけで見ると2.8度も高くなっています。
1980年は記録的な冷夏だったようで、グンと最高気温も低くなっていますが、最近は〝冷夏〟という言葉すら聞かなくなってきました。
データは色んな見方が出来ると思いますが、私がざっくりみた感想としては、やはり 最近の夏は30年程前とくらべると暑くなっているけど、気温だけを見ると思っていた程ではない ってことです。
ま、それでも凄い上昇なんでしょうけどね。
昔は天気予報を見ていると、「明日も真夏日になりそうです。」と、明日の暑さを強調していたコメントが、今では「明日も猛暑日になりそうです。」って感じに変わっているような気がしていたので、5℃くらい気温が違っているのかと思っていたのですが、そこまでではありませんでした。
ただ、猛暑日の日数を見ると、凄い増え方なので、猛暑日を言われる35℃のラインを超えてくることで、熱中症になる人がグンと増えてくるのかなと勝手に納得した次第です。
今年の8月の暑さは記録的?
毎年、夏は暑くて当然!
「イヤ~、今年の夏は暑いですね!」なんてことを、毎年言っているような、いないような・・・・。
そう、去年の夏、一昨年の夏がどれくらい暑かったかなんて人間、あまり覚えていないもんです。
さて、今年の真夏はどうなるのでしょうか・・・
この記事の数値は、気象庁のデータから出していますので、もっと詳しく知りたければコチラから統計を見てください
⇒ http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php
●日本の過去の最高気温のランキングあります
⇒ 日本の最高気温ランキング40℃超
コメント
8月は31日間。その内猛暑日が占める日が0%から20%近くになって来ているのは恐ろしい事だ
最近では7月どころか5、6月でも真夏日になる事が少なくはない事を忘れてはいけない
なのに「最近の夏は30年程前とくらべると暑くなっているけど、気温だけを見ると思っていた程ではない 」という結論が出せる管理人は凄い
by 匿名 2016-09-06
>匿名さん
そう、凄い?
よく読んでね。
もっと気温の違いがあるのかと思ってたって言ってるんですけど・・・・
by sanmon 2016-09-06
8年ではなく5年の平均ならそこまで大きな差はありません。1980年は異常に涼しかったですから。
by 匿名 2018-07-19
>匿名さん
冷夏ですよね~
その冷夏を、今では聞かなくなりましたよね
by sanmon 2018-07-21
1度しか変わらないのか、1度も変わるのか
考え方に相違はあるだろうけども、少なくとも事実としては昔より今のが暑いですねって話ですね
by 匿名 2018-07-26
>匿名さん
そういうことですね
by sanmon 2018-07-27
凄くないね
書くんだったらエアコンの存在にも触れておかないとダメだろ
暑くなっていようがなってなかろうが科学の力を無視して書いても意味がない
環境の急激な変化に人間が対応しにくいのは分かってることだろ
この記事じゃまた勘違いするやつ出てくるぞ
by 匿名 2018-07-26
湿度の方が熱中症などには大きく影響してそうですね。エアコン、確かに、それとコンクリート建造物などの増加。大気汚染や化学物質まみれの食べ物など、人体、貧弱さの話となると気温はあまり・・・。
ただ田園風景広がる人家のまばらなコンクリート少なめの私の田舎でも、最近では熱中症になる人も多く、昔に比べて暑苦しいと言われています。
今の夏の気候によって、体調を崩す方が増えているのは事実でしょう。
by 匿名 2018-08-06
これはあくまで芝生の生えた観測場所の「気温」なので都心の実際の温度はもっと高いと思います
アスファルトからの照り返しや、エアコンの普及と車の排気でさらに温度が上昇してるので、日常生活をする場所はもっと暑いです
結果「昔より暑くなった」という体感と、気温の統計にギャップが生まれるのでは
by 匿名 2019-07-27
とても参考になりました
ところで、気温の話をしてるのにエアコンを計算に入れろとか・・・痛々しい。。。
by 匿名 2019-08-22