ウチの子、なんだか風邪に掛かったみたい。
けど、元気だし熱も有るのか無いのかってくらいの微妙なくらいの微熱だし、特に病院に行くほどでもないかと市販の薬を飲ませて出来るだけ安静にさせてたんですけど・・・・
1週間たっても2週間たっても微熱が下がらず咳も治らないんです。
けど、本人はそれほどしんどそうでもないし、病院に行ったら逆に病気を貰ったりしそうで・・・・
これって病院行った方が良いんでしょうか?
目次
微熱と咳が続いて胸も痛む感じ 病院に行った方が良いですか?
すぐに治ると思っていたら、思いのほか症状が長引いてしまうことはあります。
そりゃ、無理をすれば長引いて当然なのですが、安静にしていても何故だか長引いてしまう事があります。
こんなとき、それ程症状が酷くなかったとしても病院には行くべきです。
微熱があって咳が出ている原因は何も風邪だけではありません。
その裏にはどんな病気が潜んでいるのか分からないのですから。
他の病気はいろいろ考えられます。
風邪をこじらせての肺炎の他、その手前の気管支炎や喉頭炎、咽頭炎、扁桃炎、それに百日ぜきなど。
急性肝炎や膠原病、髄膜炎、川崎病などの重大な病気が隠れている場合もあります。
それでは、微熱はどれくらい続けば病院に行くべきなのでしょうか?
発熱の4日ルールとは?
風邪の熱は安静にしてしっかり休養を取れば3日以内に治まるのが普通です。
インフルエンザでは4~5日発熱が続きますが、そうでなければ 微熱でも4日以上続くとき は肺炎なども疑います。
そもそもの微熱の概念も曖昧ですよね。
微熱や平熱について詳しくはコチラをご覧ください。
⇒ 子供の平熱は上がることがある?理由は?|微熱って何度から?
話は戻りまして肺炎などを疑う場合ですが、そんなときは病院に行き胸部レントゲンを撮ってもらいます。
肺炎であればレントゲンで確定診断できますのでね。
この風邪がこじれて起こる肺炎を疑う目安が、通常では治まるはずの熱が治まらない4日後なんです。
これを〝発熱の4日ルール〟と言います。
肺炎は何もお年寄りだけに多い病気ではなく、子どもや若者、40歳くらいまでの年齢層でもごく普通に見られる病気なんです。
ちなみに咳は、肺炎の特徴的な症状ですが、咳が少ない肺炎もありますので覚えておいてください。
そしてレントゲンで異常が無ければ血液検査や超音波検査を行い、更に別の熱や咳の原因を特定して行くことになります。
肺結核は昔の病気じゃない!
皆さん、結核という病気をご存じでしょうか?
名前くらいは聞いた事がある人が多いでしょうが、どんな病気かははっきり知らないという人も子育て世代には多いはず。
それもそのはず、結核はかつて国民病として広く蔓延し、死者も多く出し恐れられていた病気なのですが(昭和25年までは死亡原因の第1位)、特効薬が開発され患者数が減っていくにつれて〝結核は過去の病気〟と思われ、殆ど関心を持たれることがなくなって行ったからです。
けど、結核は決して過去の病気ではないんです
( ・`д・´)
結核って何?
結核は、結核菌という細菌が体に入り、それが増えることで発症します。
結核と言えば肺結核が頭に浮かびます。
確かに日本での結核は約8割が肺結核なのですが、残り2割は全身のいろんなところで起こり肺外結核と呼ばれます。
肺結核はどんな症状?
肺結核は、結核菌が肺の内部で増殖し、結核特有の炎症を起こして肺が破壊されていき、呼吸力が低下します。
初期症状は 風邪と区別が付きにくい ですが、咳(せき)、痰(たん)、発熱(微熱)などの症状が長く続くという特徴があります。
また、胸の痛み、食欲不振、体重減少、寝汗をかくなどの症状も見られます。
症状がそれほど酷くなかったとしても、2週間以上続いたり、良くなったり悪くなったりを繰り返すようで病院に行ってないのでしたら、肺結核の可能性も疑いすぐに受診するべきです。
酷くなると、動悸、息切れ、だるさ、痰に血が混じる、喀血(血を吐く)、呼吸困難などで死に至ることもある病気です。
肺結核っぽいかも?どうしたらいいの?
自分で判断出来るものではありませんし、そう思うのなら病院にかかりましょう。
掛かり付け医があるならそこでいいですし、特にないなら診療科は呼吸器科を標榜している病院がいいでしょう。
結核の調べ方は、画像診断や細菌検査です。
胸部レントゲンを撮って、疑わしい影があればCTで精密検査をしたりします。
また痰を採取して、その中に結核菌が含まれているかを顕微鏡で観察して調べたりもします。
これを、喀痰(かくたん)検査と言います。
肺結核はうつるの?
結核は感染症なので、発病すると人にうつす可能性があります。
うつる経路は咳やくしゃみに含まれた結核菌が空気中に飛び散り(これを〝排菌〟と言います)、それを他の人が吸い込む飛沫感染、つまり空気感染です。
ただ、結核菌を吸い込んだとしても必ず感染するわけではありません。
大抵は体の抵抗力によって体外に排出します。
また、菌が排出されず体内に残ったとしても、免疫が結核菌を取り囲み〝核〟を作って封じ込め、そのまま発病しないことも多いです。
この結核菌を封じ込めている状態は感染している状態ですが、発病しなければ周囲の人にうつす心配はありません。
結核菌に感染した人が発病する確率は、BCGを受けた人で5~10%ほどのようです。
結核は〝学校感染症〟と呼ばれる感染症の一つで、重い方から第一種から第三種まであるのですが、この中の〝第二種感染症〟に属し、インフルエンザと同じです。
そして、この第二種感染症の中の結核は、病状により医師に感染のおそれが無いと認められるまでは出席停止とまります。
ちなみに結核は未だに日本の主要感染症の一つなのですが、年間患者数は2万人ほどです。
6,000人に1人ほどの割合ですので、インフルエンザなどに比べれば、発症することは遥かに珍しいことが分かります。
ただ、過去の病気ではありませんので、それらしい症状があればしっかり病院に行きましょう。
ちゃんと治療を受ければ、きっちり治る病気ですので。
子どもに多いマイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎って聞いたことありますか?
日本ではオリンピックの年に流行していたことからオリンピック熱とか呼ばれたりもしましたが、最近は毎年、地域的に小さな流行がある感じです。
マイコプラズマって何?
マイコプラズマとは一般的な細菌より小さく、また細菌にある細胞壁を持っていませんが、ウイルスとも違い、別の細胞がなくても増殖できる細菌とウイルスの中間的な微生物で、バクテリアの一種です。
マイコプラズマには細胞壁が無いので、細胞壁をダメにする抗生物質が効きません。
従って、 マイコプラズマに効果のある抗生物質を使わなければ意味がない という特徴があります。
マイコプラズマに効く抗生物質はマクロライド系やテトラサイクリン系です。
このマイコプラズマに感染して発症するのがマイコプラズマ感染症です。
マイコプラズマ感染症の典型はマイコプラズマ肺炎ですが、肺まで行かず風邪の症状で終わったり、気管支炎止まりだったりすることもあります。
マイコプラズマ肺炎はどんな症状?
咳、鼻水・鼻づまり、だるさ、頭痛、発熱など風邪の諸症状がでます。
発熱は人によってことなり39度を超える高熱が出る場合もあれば、微熱が続く人が多いのも特徴です。
咳の種類は、最初は乾いたいわゆる空咳ですが、だんだんと痰が絡んだ湿った咳になっていきます。
年齢が高いほど、最初から湿った咳であることもあるようです。
ただ肺炎という病名ですが、全身症状としては一般的にそれほど酷くありませんので、入院せずに通院で治療できる事も多いです。
そして、感染者の特徴としては、小学生くらいの子が一番多いということでしょう。
全感染者の半数近くになるかと思います。
その次に多いのが乳幼児です。
マイコプラズマ肺炎っぽいかも?どうしたらいいの?
結核と同様、自分で判断出来るものではありませんので、そう思うのなら病院にかかりましょう。
掛かり付け医があるならそこでいいですし、特にないなら診療科は呼吸器科を標榜している病院がいいでしょう。
マイコプラズマ肺炎は、聴診しても肺炎を疑うような音が聞こえません。
胸部レントゲンを撮影することで肺炎像が確認できますが、一般の細菌性肺炎と区別が出来ない事が多いようです。
その他のマイコプラズマ感染症の検査は色々なものが出てきていますが、早期の正確な診断は難しく、年齢や発症からの経過、レントゲン所見などから総合的に判断することが多い感じです。
マイコプラズマ肺炎はうつるの?
マイコプラズマ肺炎はうつります。
感染経路は、咳やくしゃみなどによる飛沫感染、そして保菌者が触れた場所に触ることでうつる接触感染があります。
インフルエンザウイルスのように強い感染力はありませんが、手洗い、うがい、マスクなどの基本的なことが予防策です。
マイコプラズマ肺炎は〝学校感染症〟と呼ばれる感染症の一つで、重い方から第一種から第三種まであるのですが、この中の〝第三種感染症〟となります。
この第三種感染症は、集団生活で感染が広がりやすい病気で、医師が「他の人に伝染する恐れがない」と判断すれば登校OKです。