真夏の暑い盛りに子供が熱を出して、ちょっとしんどい様子。
けど、熱が出て少ししんどい以外に特に症状が見当たらない・・・・
相当高熱だったり、かなりしんどそうなら病院へ!となりますが、そうでなければ安静が大事なので、家で様子を見ることも多いはず。
けど、この熱の原因は何? やっぱり風邪? けど、咳も出ないし、鼻水も詰まっていなければ喉も痛くなくて、なんだか風邪っぽくない感じ。
やっぱりこれだけ暑いんだから熱中症?とも思ったけど、そもそも今日は、そんな炎天下に出てないし・・・
原因が分からなければ、どう対処していいかも分かりませんよね?
そもそも、症状が発熱だけの熱中症や風邪ってあるんでしょうか?
目次
発熱だけの熱中症ってある?
熱中症の症状としては、〝体温が高くなる〟つまり発熱の他、頭痛、めまい、立ち眩み、ふらつき、顔のほてり、吐き気、だるさ、脱力、筋肉痛、腹痛、けいれん、汗が異常に出る、汗が出ない、皮膚の乾燥、ひきつけ、意識障害等がありますが、そもそもその中の発熱だけの症状なんてことも有り得るのでしょうか?
で、いきなり結論ですが有り得ます。
つまり、〝熱中症〟にかかってしまった場合に、上記で紹介したような症状が出ることがあるということで、全ての症状が出るわけでは当然ありません。
また、上記以外の症状が出ることもあります。
発熱の他、〝咳、鼻水、鼻づまり、喉の痛み、下痢〟など、風邪の典型的な症状が特になく、暑い環境にいたのであれば、熱中症の可能性は高くなります。
よく、〝炎天下に出ていなかったから熱中症はない〟と思われる方がいるようですが、それは間違いです。
熱中症には、屋内で発症する〝屋内熱中症〟や、夜間に発症する〝夜間熱中症〟と言うものもあるくらいなのです。
ちなみに、冬でも熱中症は有り得ます。
とにかく、熱中症であれば、涼しいところで、衣服を脱がすか緩めるかして身体の熱を放出し、保冷剤などで首や脇、足の付け根などを冷やしましょう。
保冷剤や氷などがなければ、皮膚に水をかけて、うちわ等で仰ぐことでも体を冷やす効果があります。
そして、ポカリスウェットなど(スポーツドリンクならこれが一番)を飲ませましょう。
とにかく水分と塩分の両方がいるので、水やお茶ではいけません。
詳しくはコチラ
⇒ 熱中症の重傷度3分類|予防や治療には何を飲む?スポーツドリンクは?
発熱だけの夏風邪もある?
発熱だけの熱中症もあることは分かりましたが、それでは熱が出るだけの夏風邪ってあるんでしょうか?
いや、夏風邪というか風邪ですね。夏風邪は夏に引く風邪ですから。
ちなみに 〝風邪とは、熱や咳などの症状が出る病気の総称〟 です。
従って、風邪と一言でいっても原因は様々です。
そして、風邪のほとんどの原因はウイルス感染なのですが、そのウイルスは数百種類も存在します。
そして、そのウイルスによってもたらす症状は様々で、同じウイルスに感染した場合、典型的な症状というのはありますが、皆が皆、同じ症状が全て出るかというとそうではありません。
もう、お気づきだとは思いますが、結論をいいますと熱中症と一緒で、症状として熱が出るだけの夏風邪はあります。
もちろん、冬の風邪でもです。
そして、今年(2015年)の夏風邪は、症状が発熱だけというお子さんが結構いるようですね。
熱中症の熱に解熱剤は?風邪で熱が出る仕組みとの違い
発熱以外に症状の出ない熱中症や夏風邪があることは分かりましたが、それでは、対処方法は同じで良いのでしょうか?
病院に行かないで様子を見る場合、熱中症であれば既にご紹介したように、涼しいところで、衣服を脱がすか緩めるかして身体の熱を放出し、保冷剤などで首や脇、足の付け根などを冷やすのが効果的ですが、熱を下げたい場合に解熱剤を使用するかどうかが悩み所です。
そもそも風邪による発熱は、ウイルスや細菌の感染の影響で、脳の体温の設定温度を上昇させてしまいます。
これによって、脳の体温設定温度が仮に40℃になれば、体温が40℃になるまで、脳は汗を出す指令(=体温を下げる指令)を出さなくなってしまいます。
その結果、体温が40℃という発熱状態となるのです。
一方、熱中症の場合は、基本的には脳の体温設定温度は正常なのですが、過酷な高温環境に置かれた場合や、汗腺の減少によりうまく体が冷やせなくなることで体温が上がってしまうのであり、 発熱の原因が風邪とは全く違う のです。
風邪による発熱の場合は、解熱剤で熱が下がります。
しかし、 熱中症には解熱剤が効きません 。
理由は、先ほどお話ししたとおり発熱の原因が根本的に違うからです。
解熱剤の効果は、異常に上昇してしまった脳の体温設定温度を、正常に戻すことですので、ウイルスや菌の感染により発熱した人では、解熱剤により脳の体温設定温度が正常に戻ることで発汗が起こり、体温は下がります。
しかし熱中症での発熱は、脳の体温設定温度は正常であることから、それを正常に戻すという仕事をする解熱剤を服用しても意味がないんですね。