身体障害者手帳などを持っている人で一定の条件に当てはまれば交付して貰うことが出来る駐禁除外標章。
路上駐車をしてもそれを掲げておく事で駐禁の取り締まりの対象外となるやつです。
しかし、道路のどこに車を止めてもいいわけではないんですよ。
そこにもちゃんとルールがあって、駐禁除外標章があっても車を止めたらダメな場所やダメな止め方があるんですよ。
正しい使い方を知って起きましょう。
目次
駐車禁止除外指定車標章の使い方と止められる場所
駐車禁止除外指定車標章を表示していても駐禁除外とならず、一般車両と同等に取りまりの対象となるのは以下のような場所です。
②法律で規定された駐停車禁止の場所
※道路交通法第44条
③法律で規定された駐車禁止の場所
※道路交通法第45条
④高速道路
ちなみに標章の使い方は、車両の前面窓ガラスの見やすい箇所に掲示して、運転者が車両を離れて直ちに運転することができない状態で駐車する場合は、〝運転者の連絡先又は用務先を記載した書面〟を標章とともに掲示します。
①道路標識による駐停車禁止の場所
道路標識や道路標示で駐車禁止となっている場所なら、駐禁除外標章を表示することで駐車出来るのですが、道路標識等によって駐停車禁止、つまり駐車だけでなく 停車も禁止されているところでは標章があっても駐禁除外になりません 。
あくまでOKなのは駐車だけが禁止の場所です。
一応、標識の画像を掲載しておきます。
上が駐停車禁止で下が駐車禁止です。
ちなみにこの標識の意味は、基本は駐車だけが禁止の場所だけど、平日の7時30分~9時だけは駐車も停車も禁止ってことです。
②法律で規定された駐停車禁止の場所
駐停車禁止場所は標章をもって駐禁除外になりません。
そして道路標識や道路標示で示されていない駐停車禁止場所というものが存在します。
それが、道路交通法で定められている駐停車禁止場所です。
これを理解していない方が非常に多く感じますね。
それでは、どんな所がそうなのかご紹介しておきます。
基本的にそこに駐停車したら、邪魔で仕方ないだけでなく非常に危険な場所です。
少し考えればなんとなく分かる感じのとこです。
駐禁除外標章を使って路上駐車をするときは、気にしておきましょう。
③法律で規定された駐車禁止の場所
道路標識等での駐車禁止場所は駐禁除外が可能でしたが、道交法に規定された駐車禁止場所は駐禁除外標章によって取締対象外とはなりません。
道交法による駐車禁止場所は以下のとおりです。
考え方としては駐車場や車庫からの車の出入りの邪魔になる場所や消防活動の妨げになる場所、そこに車を止めることで他の車が通りにくくなる場所ですね。
④高速道路
基本的に高速道路は駐停車禁止です。
高速自動車国道でも自動車専用道路でも禁止です。
駐停車禁止場所ですから駐車禁止除外車指定標章は使えません。
ただし、故障などの理由で十分な幅員がある路肩又は路側帯に駐車や停車する場合などは別ですが、それは一般車両も同じことです。
禁止されている駐車方法
今まで、除外標章があったとしても駐禁除外されない場所をご紹介しましたが、次に標章によって駐禁除外される場所であっても、駐車方法がまずい事によって除外されないパターンがあります。
これも、結構意識していない人が多く感じますね。
次にような方法で駐停車しなければ、標章を掲示していても駐停車違反となります。
道交法の第47条に規定されています。
どうですか?
免許を取るときに習ったような内容ですが、しっかり覚えている人がどれだけいるでしょうか。
長時間駐車・車庫代わりの駐車
除外標章を掲示していても長時間駐車していたり、道路を車庫代わりとして駐車している場合は駐禁除外にはなりません。
それでは、長時間とはどれくらいかが気になる所ですよね。
長時間とはずばり12時間以上となります。
ただし、日没から日出までの時間は8時間で長時間扱いになります。
パーキングメーターとパーキングチケット発給設備
駐車禁止除外指定車標章を掲示することで、パーキングメーターとパーキングチケット発給設備のある〝時間制限駐車区間〟に止めることも出来ます。
ただし、指定された駐車枠(白線)内に指定された方法で駐車していなかったり、時間制限駐車区間の規制時間外で、その枠が法定の駐停車禁止場所や駐車禁止場所になる場合は除外指定車でも駐車違反となりますので注意しましょう。
駐禁除外標章は身体障害者手帳の何級から貰えるの?
身体障害者手帳等を所持している一定の条件の人が交付を受けることの出来る駐車禁止除外指定車標章ですが、それではその一定の条件とはどのようになっているのでしょうか。
単純に何級以上とかってわけではない んですよ。
それでは、どのような条件で交付されるのかを見てみましょう。
ただし、駐禁除外標章は各都道府県の公安委員会が発行するもので、都道府県により微妙な違いがあるかもしれません。
以下に掲載するのは私の住む兵庫県の場合です。
■身体障害者手帳所持者
障害の区分 | 交付が受けられる等級 |
---|---|
視覚障害 | 1級から4級の各級 |
平行機能障害 | 3級 |
下肢不自由 | 1級から4級の各級 |
体幹不自由 | 1級から3級の各級 |
乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障害:上肢機能 | 1級及び2級 (一上肢のみに運動機能障害がある場合を除く) |
乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障害:移動機能 | 1級から4級の各級 |
心臓、じん臓、呼吸器又は小腸の機能障害 | 1級、3級及び4級 |
ぼうこう又は直腸の機能障害 | 1級及び3級 |
ヒト免疫不全ウィルスによる免疫機能障害 | 1級から4級の各級 |
聴覚障害 | 2級及び3級 |
上肢不自由 | 1級及び2級 (2級にあっては、両上肢の機能の著しい障害又は両上肢のすべての指を欠く障害に限る) |
肝臓機能障害 | 1級から3級の各級 |
表を見て頂くと分かるように、決して足が不自由な人だけが対象ではないんですね。
ですから、見た目だけでは障害がありそうでないこともあるんです。
また、下肢に障害があったとしても5級以下の場合は、標章は交付されません。
また、身体障害者手帳の所持者以外でも駐禁除外標章を受けられる方がいますので、記載しておきます。
■戦傷病者手帳所持者
障害の区分 | 交付が受けられる等級 |
---|---|
視覚障害 | 特別項症から第4項症までの各項症 |
平衡機能障害 | 特別項症から第4項症までの各項症 |
下肢不自由 | 特別項症から第4項症までの各項症 |
体幹不自由 | 特別項症から第4項症までの各項症 |
心臓、じん臓、呼吸器、ぼうこう、直腸、小腸又は肝臓の機能障害 | 特別項症から第3項症までの各項症 |
聴覚障害 | 特別項症から第4項症までの各項症 |
上肢不自由 | 特別項症から第3項症までの各項症 |
■精神障害者保険福祉手帳所持者
1級の障害を有する方
■療育手帳所持者(兵庫県又は神戸市発行の療育手帳に限る)
重度に該当する障害を有する方
■色素性乾皮症患者の方
交付対象は車ではなく本人に
身体障害者手帳所持者等による駐禁除外標章の交付は、元々〝本人〟に対してではなく〝車〟に対してされていました。
しかしこれだと、その人の車でしか標章を使用することが出来ず、意味をなさないことが多くあったのです。
しかし最近では、標章の交付対象が〝車〟にではなく〝本人〟に変わってきたので、その標章を受けている本人が使用する、つまり乗っている車両は、本人の所有の有無にかかわらず適用を受けることが出来るようになりました。
従ってそれが配偶者の車でも、子どもの車でも、はたまた他人の車でもタクシーでも、 本人が乗車する車であれば除外標章を使用できます 。
そして、都道府県によって微妙に違う標章ですが、車両番号の記載が無くなっている県もあれば、本人に対する交付であっても車両番号を記載するようになっていたりもします。
ただ、車両番号を記載するタイプの標章であっても「その他この標章の交付を受けた本人が現に使用中の車両」といったような付け足しがあります。