ランニング中の腹痛の原因は？対策は？痛くなってしまったら？

最終更新日 2017/04/20　公開日2016/02/05 | category:トレーニング, 運動

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マラソン、スタミナ作り、ダイエット、健康のため・・・・
目的は様々ですが、始めたばかりの人でも結構なキャリアのある人でも、走っている最中に陥ってしまう症状があります。

そう、それは腹痛です。
いわゆる〝さしこみ〟っていうやつです。
今まで、調子良く走っていたのに突然襲ってくる腹痛。
もう、これが出てきたら、満足なペースで走ることは困難です。

走ると出てくる腹痛は、いったい何が原因で起きるのでしょうか？
そして、腹痛を起こさない為の対策はあるのでしょうか？
また、走っているときに腹痛が出てきてしまったらどうすればいいのでしょうか？
一緒に見ていきましょうヽ(゜∀゜)

ランニング中の腹痛の原因は？

ランニング中の腹痛と言っても、一概に同じ場所ではないですよね。
それは、人によっても違いますし、同じ人でも、時によって場所が違うことがあります。
それは、その腹痛の原因が1つではないからなんですね。

けど、同じ人の場合は、やはり同じ原因で痛くなっていることが多いので、だいたい痛む場所は同じという傾向はあります。

右わき腹

ランニング中のお腹の痛みで、一番多いのはおそらく右脇腹なのではないでしょうか。

右脇腹には最も大きな内臓である肝臓があります。
この重い肝臓が走って揺れることで、横隔膜が引っ張られることによる横隔膜の痛みが出るという理屈です。

もう1つは、大腸の蠕動（せんどう）運動が小さくなる一方で、走る振動によってお腹の中では腸全体が大きく揺れるので、大腸内のガスが大腸の上部に上昇し、その際に大腸の上側にある左右の曲がり角にガスが溜まりやすくなり、このガスの塊が周りの神経に刺激を与えて強く痛むようになるという理屈です。

このような運動中の脇腹痛を総称して〝side stitch〟とも呼んだりします。

左わき腹

左脇腹には脾臓があります。
脾臓は血液を一時的に貯めておくスポンジのような臓器で、急に運動するとここが収縮して貯めてある血液を全身に一気に送り出し、このときに痛みを感じます。

もう1つの原因は、右脇腹と同じく、大腸の曲がり角がある部分だからです。
もう一度理屈を言いますと、走る振動でお腹の中で腸全体が大きく揺れ、大腸内のガスが大腸の上部に上昇し、大腸の上側にある左右の曲がり角にガスが溜まりやすくなり、このガスの塊が周りの神経に刺激を与えて強く痛むようになるという理屈です。
キュッと腸を捻られるような痛みが突然出たりします。

みぞおち（上腹部）

上腹部痛、つまり鳩尾（みぞおち）あたりの痛みは、ほとんどが胃に関係する痛みです。
ランニングで胃が強く震盪されたり、腹圧がかかったり、胃に行く血液の循環が悪くなるので、胃が痛みます。

胃に行く血液の循環が悪くなるというのは、胃が虚血状態になっているということです。
激しい運動を行うと、全身の血流分布の多くが筋肉に流入するので、胃などの消化器系の血流不足が生じるのです。
そして、相対的に酸素不足となることで腹痛が生じるようです。
この場合、特に胃から十二指腸が発生原因のようですので、痛む部位は上腹部中央から右脇腹にかけてが多くなります。

もう1つの原因に、牽引痛というものがあります。
解剖学的に胃の噴門部（胃の入り口）と幽門部（胃の出口）はしっかり固定されていますが、他の部分は固定が緩やかなので、胃の内容物が多い場合、つまり食後、間もない間の激しい運動により、胃腸が下に引っ張られ、部分的な牽引痛が起こります。
この場合は、上腹部中央の痛みであることが多くなります。

ランニング中にお腹が痛くならない為の対策は？

痛みの原因が1つではないので、対策も1つではありません。

横隔膜を原因とする痛みの対処

横隔膜の痛み予防は、一言で言うと〝トレーニングを積む〟と言うことになります。
長い距離を一定のペースで走るだけでなく、短い距離を速いスピードで走るインターバルトレーニングやウエイトトレーニングを取り入れるのも良いでしょう。
腹筋を鍛えるのも良いですね。

あと、肝臓と横隔膜を結ぶ靱帯の引っ張りが原因という考えから、左足の着地で息を吸って、次の着地で息を吐くという呼吸法で、引っ張りを軽減し、結果、痛みがなくなるというものです。
けど、とてもやり辛いですσ(^◇^;)

脾臓を原因とする痛みの対処

急激な運動が大きな要因ですので、十分なウオーミングアップとやはり普段からのトレーニングが肝心です。

臓器の虚血状態を原因とする痛みの対処

やはり、これもトレーニングにより起こりにくくなるのですが、すぐ出来る対策は食事の摂り方です。
走る前の1時間半くらいは、ガッツリとした食事は控えましょう。
ただ、全く何も食べないのも良くありません。
余り空腹すぎると逆に痛くなることがあるようですし、エネルギーの補給も必要です。

血行改善のための腹筋のマッサージをし、胃腸機能を高めるのも効果があるでしょう。

胃の引っ張りを原因とする痛みの対処

とにかく胃に内容物がたくさんある場合におきるので、運動前の大量の食事は控えなくてはなりません。
また、刺激物もよくありません。
消化の良いものを食べ、しっかり咀嚼する習慣を付けましょう。

大腸内のガスにより痛みの対処

走る前に、腸内にガスが発生しやすい芋類や炭酸飲料などの摂取はやめておき、スタート前に排便を済ませることが主な予防策になります。
便秘予防のため野菜や果物を日頃から取るように心掛けるのも良いでしょう。

ランニング中にお腹が痛くなってしまったら？

まず最初に走るペースを落とすことが必要です。

レース中であれば走るペースを落とすことは中々しにくいですが、そうしない限りずっと腹痛は続きます。
ペースを落とし少し余裕が出来たら、少し深めの呼吸を繰り返して下さい。
そうして体にたくさんの酸素を送り込むことで消化器系にまで行き渡り、痛みが治まります。
その結果、腹痛を感じなくなるまで回復したら、腹痛が出ない範囲で少しずつペースを上げて、もとのペースに戻るように走ります。
痛みの出ている部分の少し下あたりを人差し指から小指の4本の指で軽く押してやると効果のある人もいます。
脾臓を原因とする左脇腹の痛みや、胃の虚血を原因とする上腹部の痛みは、これらで対処できる可能性があります。

脇腹（横腹）が痛み出したら、痛い側の手を高く上げてそのまま反対側に身体を反らしてください。
この動作により大腸の曲がり角に溜まったガスの塊が分散し、痛みが改善されるという理屈です。
そして、この大腸内のガスが原因の場合は、お腹をさすってガス排出を促進するのも良いかと思います。

また、走るのをやめれば、大腸が蠕動を再開するので、ガスが分散して痛みがなくなるはずです。

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