世界随一の高齢化社会である日本は、世界随一の認知症の患者を抱える国でもあります。
不謹慎かもしれませんが、なんだか交通事故の死者数は減っても、重度の後遺症を残す人が増えているのと似たようなイメージを覚えます。
そして、その増え続ける認知症患者に対して、日本の福祉制度は置いてきぼりの状態ですし、少子化で子どもの数は減る一方です。
そんな中、一番の対策は自分が認知症にならないように事前対策をしておくことかもしれません。
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認知症予防の決め手は40代からの運動にあった!
つい先日、中年期(45歳~64歳くらい)の運動能力と、年をとってからの脳の萎縮には関連性があるという研究結果が発表されたというニュースがありました。
脳の萎縮、つまり認知症の発症する状況です。
研究内容は、平均年齢40歳の約1500人にランニングマシンで運動をしてもらうテストと行い、20年後に再びテストをするというもので、20年前に運動成績の悪かった人ほど、脳の萎縮が進んでいたという結果が出ました。
また、運動能力と高齢者の認知機能との関係は、他の研究でも明らかにされていたようで、中年期の運動能力が高いほど、後の脳萎縮が少ないと発表されています。
この理屈は、運動をすれば血流が増え、より多くの酸素が脳に運ばれて、年を取ってからの認知力の低下を防げるといったことのようですが、証明されているわけではありません。
ただ、運動をしないよりもしている方が、後の脳に好影響を与えることは間違いなさそうです。
認知症発症の20~30年前の生活習慣が大きく関わってくる感じなので、認知症防止の観点からは、40歳くらいから日々の習慣に運動を取り入れていくのが良いかもしれませんね。
ちなみに、アメリカの運動ガイドラインでは、週に中強度の運動なら150分、負荷のやや高い運動なら75分以上行うことが推奨されています。
中年期からの認知症予防は飲酒の面からも!
認知症の発症に影響を及ぼす中年期の生活習慣は、運動だけでなく飲酒も影響してくるようです。
飲酒といっても問題飲酒、つまり大量にお酒を飲む人の場合なのですが、お酒を飲まない人や飲むとしても軽度で留める人と比べると、最大で6年早く認知症の徴候を示すことが明らかになっているようです。
この場合の大量の飲酒、つまり問題飲酒とは、アルコール度5%のビールなら350ml缶で換算すると週に15本以上、つまり1日2本ちょいなので、それほど大量でもありません。
まぁ、常にたくさんお酒を飲む人は、認知症的にもリスクがデカくなるってことですね。
日本の認知症患者数と割合
厚生労働省が発表している人数では2012年の時点で認知症に罹患している高齢者の人数は約462万人、そして2025年にはその1.5倍以上に膨れあがり700万人を突破するとの見通しを立てています。
この数値は65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症になっている計算です。
いわゆる〝2025年問題〟というやつです。
2025年は、第一次ベビーブームで生まれた団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、超高齢化社会を迎えることになるんです。
700万人という人数は昨年発表された人数ですが、その10年前の平成15年に厚労省は、2025年における認知症患者数は323万人と推計しています。
10年で倍以上の修正値です。
ほんとに 認知症患者が誰しも身近にいる状況 ですね。
少しでも自分の認知症罹患を予防できるなら、私も運動を出来るだけして、お酒も控えめにしようかなと考え中です( ̄∇ ̄*)ゞ