行政側が必死に生活保護受給者を増やさないようにしているような状況でコレですから、実際のところは、生活保護の要件に当てはまる人はもっともっといるのでしょう。
そして、要件には当てはまらなくても、生活保護を受給するのと同じ生活水準の人を入れれば、とんでもない数になりそうです。
とりあえずは、現実の数字を見てみましょう。
目次
生活保護受給世帯割合と受給人数
つい先日のニュースでは、全国で生活保護を受けている世帯が去年の12月時点でおよそ163万4000世帯を超え、 統計を取り始めた1951年以降で最多を更新 したらしいです。
では、この163万4000世帯とはどんな数字なのでしょうか?
日本の人口は昨年の国勢調査によると1億2711万人です。
そして、世帯数は5340万3000世帯となっています。
一世帯の平均人数は2.38人となります。
そして生活保護受給者の数は昨年12月時点で216万5585人、受給世帯数は163万4185世帯となっています。
生活保護を受けている一世帯の平均人数は1.33人と、全世帯の平均よりも1人ちょい少なくなりますね。
割合を見ると、生活保護受給者数(被保護実人員)は日本の総人口の約1.7%、そして生活保護受給世帯数(被保護世帯数)は日本の総世帯数の約3.1%になります。
つまり100世帯あれば3世帯強が生活保護を受けている計算ですね。
生活保護受給人数と生活保護受給世帯数の推移を見ますと、受給世帯数の推移は、毎月増えたり減ったりしながら少しずつ増えて行き、昨年末に過去最多を記録したのですが、受給者数は昨年の3月がピークで毎月増えたり減ったりを繰り返しながら、少しずつ減少している状況です。
上記の数字から、生活保護受給世帯は、世帯あたりの人数が少ないことと、受給人口は減っているものの、受給世帯は増えているという事実が分かります。
これは、いったいどういうことなのでしょうか。
高齢者の生活保護受給世帯
生活保護を受給する高齢者世帯は平成27年で80万5723世帯と、生活保護受給世帯の半数を占めています。
高齢者世帯数は国民生活基礎調査によると平成26年6月の統計ですが約1221万4000世帯、同時期の高齢者世帯の生活保護受給数は75万3055世帯で、受給率は約6.2%となります。
全体の受給率の倍ほどになりますが、平成27年でみると、もっと数字は増えるでしょう。
厚生労働省は「貯金や年金だけでは暮らせない1人暮らしの高齢者が増えている」と分析していますが、確かに高齢者世帯の受給数が増えているのは、高齢者自体の人数が増えていることの他、年金や貯蓄だけでは暮らせていけないお年寄りの割合自体も増えてきていることがあるようです。
そして、生活保護の受給人数は減っているにもかかわらず受給世帯数が増えているのは、 1人暮らしで生活保護を受給する高齢者が多くなっている こと裏付けています。
母子家庭の生活保護受給世帯
日本の母子家庭(母子世帯)数は、平成27年の厚労省の発表によると約82万1000世帯、そのうち生活保護を受けている世帯は10万9250世帯あります。
ここでいう母子家庭世帯とは、「配偶者がいない65歳未満の女子と18歳未満のその子のみで構成されている世帯」を言います。
母子家庭の生活保護受給世帯は減少傾向にあるようですが、その率は実に13.3%と7~8世帯に1世帯の高い割合であり、高齢者世帯の比ではありません。
この度のニュースでは、生活保護受給世帯の約半数が高齢者世帯であったことから、そこがクローズアップされ、母子家庭世帯の需給数は減っている的な感じが多かったですが、何も良い方向には動いてないように感じます。