遺言書はワープロ作成でOK?相続制度改正であるかどうか分からないときは?

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遺言書というものは、どんな風に書いても良いわけではなく、法律に従っていなければ、せっかく書いても無効な遺言書となってしまいます。
まぁ、無効であろうと故人の遺志を尊重してくれる相続人達ばかりなら問題ないんですが、そうでない事はよくあること。

さて、この遺言書のルールはいろいろありますが、今日はその中の一点!
「ワープロで書いてもいいのか」ということについて書いていきます。

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遺言書はワープロ作成でもOK?

〝遺言〟・・・一般的には〝ゆいごん〟と言いますが、法律家はこれを〝いごん〟と言います。
相談者、依頼者の事を考えてしゃべってくれる先生なら〝ゆいごん〟とあえて言ってくれたりしますけどね。

この遺言を書面にしたためたものが〝遺言書〟です。

遺言書の種類には、普通の方式で以下の3つあります。

  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言
  • 秘密証書遺言
  •  

    それぞれどんな遺言書なのかってことは、ここではサラっとしか触れずに、ワープロ打ちOKかに絞ってお話しします。

    自筆証書遺言

    〝自筆証書〟・・・・すなわち〝自分で書く事実を証明する文書〟のことです。
    ここでは〝自分で書く遺言〟のことですね。

    文字の表すとおり、自分で書かなければならない遺言ですので、ワープロはアウトです。
    パソコン使ってワードで書くのも当然アウトです。

    一応、言っておきますと、音声や動画もアウト、代筆もアウトです。
    ちなみに、カーボン紙での複写は自分で書いたものと認められていますが、わざわざそんな事する必要が全くありません。
    (最判平5.10.19)
    他人の添え手による遺言もOKになったケースもありますが、自分1人で書けないのに、わざわざ自筆にする必要はないでしょう。
    (最判昭62.10.8)
     

    それと、署名だけが自筆ではいけません。

    遺言書の全文、日付、氏名、全てにおいて自分で書き、これに押印することによって成立する遺言が自筆証書遺言です。

    公正証書遺言

    公正証書遺言は、公証役場というところにいる公証人という公務員(元検事と元裁判官が多い)が筆記するので本人が書く必要はありません。
    公証人が筆記するといっても、それはワープロ打ちです。

    遺言者は署名をする必要はあるのですが、署名できないときは、公証人がその理由を付け加えることで、署名に代えることが出来るので、全く字が書けなくても大丈夫です。

    秘密証書遺言

    秘密証書遺言とは一言で言うと、遺言の内容を秘密にしたまま、その存在を公証人に証明してもらう遺言です。

    これは公証人が筆記するのではなく自分で作成するのですが(代筆も可)、そもそもワープロ打ちOKなのです。

    しかし、署名だけはする必要がありますので、字が書けない場合は利用できないことになります。

    相続制度改正で遺言書が変わる!?

    平成30年1月に40年ぶりの大幅な見直しとなる民法改正案がまとまりました。
    そして、その中でも注目を集めたのが相続制度の見直しです。

    その相続制度の見直し案の中では、目立った見直しではないのですが、遺言書についても2点の見直しがあります。
     

    その1つが遺言書のワープロ打ちに関すること!

    何から何まで自分で書かなければいけない自筆証書遺言ですが、財産目録を添付する場合は、その目録についてだけは自筆でなくても各ページに署名押印すればOKということになりそうです。

    つまり、それだけはワープロ打ちでOKってことです。
     

    遺言書があるかどうか分からないときに

    もう一点の改正案は、遺言書を全国各地の法務局で保管して貰える制度の創設です。

    そして被相続人(相続を受ける人)は、 遺言者が亡くなった後 であれば、遺言書を保管している法務局の名称等(保管されていないときは、その旨)を証明する書面の交付や閲覧等を請求することが出来ます。

    つまり、この制度が本決まりになって、もし遺言書があるかどうか分からない状態であれば、念のために法務局に出向いてみれば、遺言書が預けられていたということがあるかもしれませんね。
     

    ●他の相続制度の改正案はこちらをご覧ください。
    遺された妻を守るための遺産相続制度の見直しとは?何がどう変わる?

    一番確実な遺言書は?

    まぁ、なんだかんだと言いましても、失敗しない遺言書の作成方法は、 公正証書遺言にすること だと思います。

    多少、費用はかかりますが(相続財産によって違ってくる)、法律的に問題のない遺言書が仕上がりますし、紛失、改変の恐れもありません。

    また、自筆証書遺言や秘密証書遺言であれば、遺言者の死後、家庭裁判所にて遺言書の検認手続というものが必要になってきますが、公正証書遺言であればそれもありません。
     

    とにかく、自分が亡くなった後、親族が相続でもめる争続だけは起こしてほしくないものです。

    そのための一番の方策は、しっかりとした遺言書を遺すこと。

    遺言書を書くのは、年齢がいくつでも早すぎるということはありません。

    重い腰を上げて取りかかってみれば、それほど大変なことではないですし、なんだか一つ肩の荷が下りた感じもしてきます。

    早速、検討を始めてみましょう。


     

    まとめ

  • 遺言書の書き方にはルールがある

  • ルールから逸脱している遺言書は無効となる

  • 遺言書は種類によってワープロ打ちOKなものとNGなものがある

  • 平成30年1月の民法改正案には遺言書に纏わる改正もある

  • 一番確実でトラブルの少ない遺言書は公正証書遺言
  •  
     

     
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