内側くるぶし斜め下が痛い!有痛性外脛骨障害?治療法に対処法

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成長期の子どもが足を痛がる原因は多々あります。

その中でも足の内側を痛がっている子のお父さん、お母さんは是非読んでみてください。
あまり聞かないケガの名前なんですが、結構多いんですよ。

目次

内側くるぶし斜め下の出っ張りが痛い!

きっかけは捻挫であることが多いようです。
うちの子もそうでした。

捻挫なら湿布でも貼って2~3日もすれば治るかと思いましたが、一向に良くならないんですよね。
それまでも、しょっちゅうケガはする子で、いつもすぐに治っていたんですが・・・・

で、痛い場所をしっかり確認すると、足首の内側のくるぶしの斜め前(斜め下?)あたりのちょっと出っ張りのあるところでした。

「うん?この出っ張り何やろ?」

特に腫れた感じはないのですが、反対の足とくらべると出っ張りが大きいように感じました。
 

●痛みの場所が、ちょっと違う場合はコチラもご覧ください。
小学生の踵の痛みはシーバー病?

有痛性外脛骨障害って言われたけど外脛骨って何?

早速、病院に言ってみると触診し、先生は既に何か目星が付いているような感じでしたが、レントゲン撮影。
そして、聞かされた傷病名は〝有痛性外脛骨障害(ゆうつうせいがいけいこつしょうがい)〟でした。

〝有痛性〟とは、当然痛みがあるってことですよね。
そして〝障害〟は、まぁ分かるとして〝外脛骨〟って何?-ω-)?って思いました。

聞いてみると、外脛骨とは本来なら退化していて存在しない余分な骨らしいです。
過剰骨っていうらしいですね。
足は多くの骨で構成されていますが、その中の〝舟状骨(しゅうじょうこつ)〟という骨の内側にあり、5~6人に1人くらいの割合で存在するそうです。

舟状骨粗面と呼ばれる舟状骨の内側に後脛骨筋という足の内側の縦アーチを形成に大きく関与する筋肉が付着しているのですが、外脛骨がある人は、この後傾骨筋の付着部に余分な骨がある状態なんですね。
これは生まれつきあるもので、 外脛骨があったから痛みが出るわけではありません 
外脛骨があっても痛みが無ければ何の問題もないのです。
ちなみに外脛骨が無い人でも舟状骨粗面部分は多少出っ張っています。

しかし、捻挫や繰り返される後傾骨筋の引っ張る力によって、筋肉が過剰な緊張状態に陥ったり、外脛骨部分が舟状骨の部分からはがれるようになって炎症を起こしたりして痛みが生じるというメカニズムです。

ちょっと、オスグッドに原理は似ていますね。

●オスグッドについてはこちらをどうぞ。
成長期の膝下の痛みオスグッド病
 

有痛性外脛骨障害は、扁平足の人や、足首が体の内側に倒れこむような足首の回内になりやすい人に多く見られます。
扁平足だと土踏まずが下がります。
外脛骨についている後脛骨筋が上の方に足のアーチを引き上げているのですが、土踏まずが下がると、後脛骨筋が引き延ばされるようになるのが理屈です。

特に扁平足の方や、足首が体の内側に倒れ込むような〝足首の回内〟になり易い方は、土踏まずに荷重が掛かり易くなって、痛みを伴うリスクが高くなります。
ちなみに、足首の過剰回内のことをオーバープロネーションといいます。

有痛性外脛骨は酷くなると、普通の靴で歩行することも困難になる事例もあるようです。

有痛性外脛骨障害の治療法に対処法

では、有痛性外脛骨障害になったらどうすれば良いのか!
これが一番重要ですよね。

ストレッチ

後傾骨筋という筋肉が引っ張ることで、有痛性外脛骨になるのであれば、後傾骨筋自体に柔軟性があると、症状は発症しにくくなるはずです。

後傾骨筋は足の内側あの縦アーチを引き上げる内反方向への作用があるため、その反対方向へと動かすストレッチが良いかと思います。

具体的には床に座って、膝を曲げて足の裏を両手で持ち、足首を上に上げながら小指側に捻る感じですが、体が硬い人はこれ自体が出来ないかもしれません。
そこで、タオルを使うと楽に出来ます。

簡単な動画がありましたので、貼っておきます。

テーピング

外脛骨障害でテーピングをするなら、足のアーチを上げるテーピングを行うことになるでしょうが、スポーツをしている人の場合、発症したらそもそもテーピングをして無理して続けるのではなく、思い切って2週間は何もせずに休むべきだと思います。

試合に出ないのはおろか、練習を2週間も休むことはとても辛いかもしれませんが、ズルズルとごまかしながら痛みと付き合ってくよりは、よほど早い解決に繋がることが多いでしょう。

足底板とインソール

有痛性外脛骨と診断されると〝足底板〟を作るように勧められることがあります。
足底板は、義肢装具を作成する会社で作成するのが普通で、あなたの足の状態に合わせたものを作ります。
かなり値段は張りますが、保険が効いて7割分は戻ってきますよ。

足底板と似たもので、インソールというものが市販されています。
インソールも様々ですが、土踏まずからかかと部分までサポートするようなものが有効です。
土踏まずを下から支え、後脛骨筋の牽引力を緩めることが重要ですね。

インソールについて詳しくはこちらをご覧ください。
扁平足のおすすめインソールは?1つ作れば使い回し出来る?
 

ただ、足底板もインソールも誰にでも合うわけではないと思います。
足底板やオーダーメイドのインソールは、作り手の技量によっても違ってくるかもしれません。

ただ単にクッション性を高めるだけのようなインソールでは、あまり意味はないでしょう。

靴の履き方

足底板やインソールを作るまではしなくても、靴の履き方だけで改善することもあります。

靴のサイズ的には、指先から靴の先に1cm程の余裕寸を採った適正サイズのウォーキングシューズが良いです。
そして、面倒ですが靴紐をつま先側からしっかりと締めて、余裕寸を維持して履いて下さい。
すると、靴の中で足指が動いて足首のバランスを採り始めるので、足首が安定すると共に筋力の鍛錬にもなります。
また、足首まで覆うハイカットのシューズを選択すると、より効果が大きいでしょう。

靴ヒモをしっかり縛ることで、靴の中で靴と外脛骨の隙間を空けないことも重要です。
隙間があると、外脛骨が靴を当たったり離れたりすることで、痛みを強める結果に繋がります。

手術

有痛性外脛骨で手術を選択される方はあまりいないようです。

手術内容は、外脛骨を摘出し、舟状骨粗面の突出部分も一部骨切りを行うといった内容か、逆に外脛骨を骨状骨にくっつける内容だそうです。
前者の方が一般的ですが、それは状態にもよるのでしょう。

ただし、手術を行ったからといって必ず治るといった保証はありません。

手術によって得られる効果とリスクの可能性からもあまり行われないようです。

まとめ

  • 外脛骨とは本来なら退化していて存在しない余分な骨
  • 外脛骨は5~6人に一人に存在する生まれつきある骨

  • 外脛骨があっても痛みがない人は多くいる

  • 有痛性外脛骨障害は、繰り返される後傾骨筋の引っ張る力等によって痛みが生じたもの

  • 有痛性外脛骨障害は扁平足やオーバープロネーションの人に多い

  • 有痛性外脛骨障害では、足底板を作ることが多い

  • 有痛性外脛骨障害で手術選択をすることは少ない
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