パッキャオとはこんなボクサー|過去のブラッドリー戦|引退戦の予想は?

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生ける伝説のボクサー、マニー・パッキャオの引退試合が決まりましたね。

今までラストファイトの可能性のあった次戦の対戦候補は、アミール・カーン、テレンス・クロフォード、エイドリアン・ブローナーなども上がっていましたが、決定した相手は過去2度対戦し、1勝1敗のティモシー・ブラッドリーでした。
日程は2016年4月9日(現地時間)です。

目次

マニー・パッキャオとはこんなボクサー

ボクシングファンであれば世界中の誰でも知っているフィリピンの英雄マニー・パッキャオですが、特にボクシングファンでもないのでパッキャオを良く知らないって人のために、簡単にご紹介していきます。

パッキャオがチャンピオンになるまで

パッキャオはフィリピンのミンダナオ島で1978年12月17日生まれた37歳のプロボクサーです。
37歳という年齢は、ボクサーとしては、 もうとっくに峠を越えた年齢 です。
そして、パッキャオに至ってもそれは例外ではなく、全盛時の勢いはありません。
しかし、何かやってくれる感は常にあります。

パッキャオは貧しい野菜農家の6人兄弟の4男として生まれました。
もともと貧しい上に両親の離婚などもあり、中等学校(※)を中退し、花、煙草、パンなどを路上で売り、家計を助けていました。
※中東学校-日本での中1~高1にあたる。学費は無料だが、義務教育ではない。

ボクシングは8歳から始め、草ボクシングの試合に出場しては、少ないながらもお金を稼ぐようになっており、14歳の時にフィリピンの首都マニラに行き本格的にボクシングを始めています。
ただ、最初は路上生活をしながらトレーニングを積んでいたようです。
ちなみに、アマチュアでの戦績は64戦60勝4敗でした。

16歳1ヶ月でライトフライ級からプロデビューしました。
1995年1月22日、阪神・淡路大震災のあった頃の話です。

日本では17歳にならないとプロにはなれませんが、フィリピンでは年齢制限が無いんです。
ライトフライ級というのは、17もあるプロボクシングの階級の軽い方から2番目の階級で、その体重は50kgもありません。
しかし、このときパッキャオはライトフライより更に軽いミニマム級の上限体重47.627kgもありませんでした。
ちなみに、デビュー戦のファイトマネーはたっだ100ペソ(約200円)でした。

その後は1997年にOPBF東洋太平洋フライ級王座を獲得し、プロデビューから4年弱の1998年12月、27戦目にしてWBC世界フライ級王座を獲得しています。

6階級制覇のパックマン

WBC世界フライ級チャンピオンになったパッキャオは、2度目の防衛戦でウエイトオーバーの失格となり王座剥奪、そしてその試合もメッンガン・3KバッテリーというタイのボクサーにKO負けしました。
(後にリベンジは果たしています。)

その後、フライ級からスーパーフライ、バンダムを飛び越えスーパーバンダム級まで一気に3階級を上げ、IBF世界スーパーバンダム級王者レーロホノロ・レドワバに6回TKO勝ちで2階級制覇。
実はこの試合、2週間前に急遽決まった代役での試合だったのですが、そのチャンスを見事モノにして、ここからスターダムにのし上がることになります。
ちなみに、この試合からフレディ・ローチがトレーナーとなっていました。

その後、次々と階級を上げながら、以下のようなビッグネームとの対戦を次々とモノにし、〝パックマン〟との異名を取るようになっていきます。

メキシコのスーパースター
マルコ・アントニオ・バレラ

●2003年11月(1戦目)
フェザー級 11回TKO勝ち
下馬評を覆す番狂わせで一気に注目を浴びるようになる
●2007年10月(2戦目)
Sフェザー級 判定勝ち(3-0)
バレラはこの試合後、一旦引退

パッキャオ因縁のライバル
ファン・マヌエル・マルケス
●2004年5月(1戦目)
フェザー級 引き分け
その後のマルケス2、マルケス3、マルケス4へと続く因縁の初戦
●2008年3月(2戦目)
Sフェザー級 判定勝ち(2-1)
もの凄く僅差の勝利
●2011年11月(3戦目)
ウェルター級(144lb)判定勝ち(2-1)
疑惑の判定?
●2012年12月(4戦目)
ウェルター級 6回KO負け
マルケスの強烈なカウンターで失神

元3階級王者
エリック・モラレス
●2005年3月(1戦目)
Sフェザー級 判定負け(0-3)
5Rにバッティングで右目尻をカットした
●2006年1月(2戦目)
Sフェザー級 10回TKO
リベンジ達成!
●2006年11月(3戦目)
Sフェザー級 3回KO
完全決着!

史上初の6階級制覇チャンプのゴールデンボーイ
オスカー・デ・ラ・ホーヤ
●2008年12月
ウェルター級 8回TKO勝ち
ミドル級チャンプにもなったデラホーヤとライトフライ上がりのパッキャオでは無謀と言われていた試合

イングランドの〝殺し屋〟
リッキー・ハットン
●2009年5月 
Sライト級 2回KO勝ち
またもや下馬評を覆して強烈な一撃KO

プエリトルコのスーパースター
ミゲール・コット
●2009年11月
ウェルター級(145lb)12回TKO勝ち
鉄壁のディフェンスを物ともしなかった

身長差12cm、体重差8kg
アントニオ・マルガリート
●2010年11月
Sウェルター級(150lb)判定勝ち(3-0)
史上2人目のメジャー6階級制覇達成

パッキャオが制覇した6階級は以下の赤字の階級です。

フライ級
スーパーフライ級
バンタム級
スーパーバンタム級
フェザー級
スーパーフェザー級
ライト級
スーパーライト級
ウェルター級
スーパーウェルター級

しかし、世界チャンピオンとなっていないフェザー級ではマルコ・アントニオ・バレラ、スーパーライト級ではリッキー・ハットンという、世界最強と言われた王者に圧勝しているため、この2階級を加えて海外メディアでは8階級制覇王者として評価・紹介されることもあります。
おそらく、パッキャオがチャンピオンベルトにこだわっていれば、この2階級のベルトを取ることは可能だったでしょうが、ベルトを獲ることよりも、各階級の最強選手とのビッグマッチを優先していった結果でしょう。

日本人とは対戦してるの?

世界的に超ビッグネームとなったパッキャオですが、日本ではボクシングが特に好きでなければ知らない人の方が多いかもしれません。
日本でのネームバリューで言えば、亀田兄弟の方がはるかに上です。

そんなパッキャオも実は昔、日本のボクサーと対戦したこともあるんです。

まずは1998年5月、パッキャオが東洋太平洋チャンピオンだったときにノンタイトルで〝寺尾新〟という日本のボクサーと対戦し、1Rに3度のダウンを奪いKO勝ちしています。
寺尾は、パッキャオとの試合について「地獄の3分間でした。私だって相手を殺すつもりで練習してきましたが、あの時は本当に殺されると思った。もう二度と戦いたくありません。」と後に語っています。

次に2001年2月、在日韓国人の千里馬哲虎とWBCインターナショナルスーパーバンタム級の4度目の防衛戦で対戦しています。
結果はパッキャオの5回TKO勝ち。
5R目はえげつない左ストレートが炸裂してました。

また、後に世界スーパーフラ級チャンピオンとなるセレス小林は、日本フライ級王者時代に同クラスのWBC世界チャンピオンのパッキャオとの対戦のオファーが来たのですが、パッキャオの試合映像を見たセレスが「こんな怪物に勝てるわけがない」と言って拒否したため、試合が実現しなかったという逸話があります。

政治家マニー・パッキャオ

2007年に下院議員選に出馬するも落選、2010年再び下院議員選に立候補し、見事当選し、政治家マニー・パッキャオが誕生し、次の2013年にも2期目の当選を果たしています。

しかし、パッキャオは議会への出席率が低いため批判の声も多くあります。
2014年に至っては70議会のうちわずか4日だけの出席でした。
パッキャオは、政治活動に専念するためボクシングを引退すると言っています。
そして、4月の引退戦を終えた後の5月の上院議員選挙に出馬するようです。
将来の大統領選出馬のステップとなるのでしょう。

過去2回のティモシー・ブラッドリー戦

パッキャオは引退戦で対戦するティモシー・ブラッドリーと過去2回対戦しています。
その2試合を簡単に振り返って見ます。

ブラッドリーⅠ

●ブラッドリーが2-1で判定勝ち
2012年6月9日、WBO世界ウェルター級チャンピオンとして4度目の防衛戦の相手が、1階級下のWBOスーパーライト級チャンピオンだったブラッドリーでした。
序盤はパッキャオ有利で試合を進め、左を時々クリーンヒットさせていましたが決定的な一打は無いまま終盤はスタミナ切れで失速していきました。
しかし、手数も有効打も明らかに多かったパッキャオの判定負けとなります。
そして、この判定は〝ボクシング史上最悪な判定のひとつ〟と言われるほどの疑惑の判定結果でした。

ブラッドリーⅡ

●パッキャオが3-0で判定勝ち
2014年4月12日、文句ナシの判定勝ちでパッキャオがWBO世界ウェルター級チャンピオンに返り咲いています。
ブラッドリーはパッキャオから奪取したこのWBOウェルター級王座は、強打のブルファイター〝ルスラン・プロボドニコフ〟とパッキャオの因縁のライバル〝ファン・マヌエル・マルケス〟から防衛し、このパッキャオⅡが3度目の防衛戦でした。
ちなみに、今、現在でも、 ブラッドリーの黒星は、このパッキャオ戦のみ です。

 
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ズバリ!パッキャオ引退戦の結果予想は?

2016年4月9日のパッキャオvsブラッドリー、果たしてどのような試合で、どのような結果が予想されるでしょうか。

まずは、2人のデータを参考までに比較してみましょう。

なまえマニー・パッキャオティモシー・ブラッドリー
ニックネームパックマンデザート ストーム(砂嵐)
国籍フィリピンアメリカ
年齢37歳32歳
身長 169cm168cm
リーチ170cm175cm
スタイルサウスポーオーソドックス
プロ戦績57勝(38KO)6敗2分32勝(12KO)1敗1分
アマ戦績60勝4負125勝20敗
過去3年間の戦績3勝1敗4勝1敗1分
前戦フロイド・メイウェザー・ジュニア
0-3判定負け
ブランドン・リオス
9回TKO勝ち
保持中の
メジャータイトル
無冠WBOウェルター級
過去に獲得の
メジャータイトル
●WBC世界フライ級(防1)
●IBF世界Sバンタム級(防4-返上)
●WBC世界Sフェザー級(防0-返上)
●WBC世界ライト級(防0-返上)
●WBO世界ウェルター級(防3-S王座認定)
●WBC世界Sウェルター級(防0-返上)
●WBO世界ウェルター級(防1)
●WBO世界Sライト級(防4-返上)
●WBC世界Sライト級(防0-剥奪)
●WBO世界ウェルター級(防4-返上)
●WBO世界ウェルター級(防0-現在)

私の予想は、やはり一発の破壊力の違いと、希望も込めてパッキャオのKO勝利です。

とにかく、パッキャオには強打強打でKOにこだわって欲しいと思います。

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